日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年3月27日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

ホンダの柔軟な発想が時代を先取りした

正面から見たホンダ・ライフ・ステップバン。幅は「軽」の制限ぎりぎりの1295mmであるのに対し、背の高さが特徴的

 「時代を先取りしたクルマ」というものがいくつかある。その時は明確に理解できず、それ故広くヒットすることなしに終わったものが、実は画期的なメカニズムやコンセプトを持っていたクルマである。

 例えば英国ミニなどは、エンジン横置き搭載の前輪駆動をはじめとして、現代の小型車の「公式」を半世紀の昔に実現していた。のちにヒットして、世界のベーシックカーのように広く愛用されるのだが、登場したてのころはあまりの革新振りに、実際手にする人は少なかったという。しばらく時間が経過して、ようやくその先取りのすごさが実感できたりした。

 ホンダ・ステップ・バンもそんな「時代を先取りしたクルマ」のひとつといっていい。なにがと言うと、そのスタイル・コンセプトと、それを具現化したボディ・デザインに尽きる。「軽」という限られた制約の中で、いかに使い勝手のいいクルマをつくるか。ホンダらしい柔軟な発想の成果が、ステップ・バンに盛り込まれていた。