ブランドであるか否かのちがい

デザイン的な面白さを狙った、太いBピラーのエア・アウトレット。GSR-VRというモデル名も印象に残りにくい
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 このスタイリングにしてもそうだ。一見格好よいパーツがちりばめられてはいるが、いま写真を見て、このクルマがなんであるか、どこのメーカーであるか、おそらく答えられる人はそう多くはあるまい。それが、冒頭に書いたブランドであるか否かのちがい。要するにブランド力を得ることもなく、歴史のなかに埋もれてしまった数多くのクルマたちのひとつ、ということになってしまう。

 このスタリオンなどの時代から、クルマは単にメカニズムといったハードウェアだけでなく、宣伝、雰囲気づくり、そしてブランド意識といったようなソフトウェアまでが、「わざ」として必要になってきた。そんな気がしてならない。

著者/いのうえ・こーいち
理工系大学院修了。日本写真家協会(JPS)、日本写真作家協会(JPA)会員。 主な連載誌は小学館「ラピタ」、日本カメラ社「日本カメラ」、エイ出版 「東京生活」、サドルシューズ「ミニフリーク」など。クルマをはじめとして,乗り物全般を愛好する。著書には「客車好き」(JTBパブリッシング)、「ぼくの好きな時代、ぼくの好きな車たち」(エイ出版)、「クルマ好きはやっぱりフェラーリが好き」(二玄社)、「アルファ156」(経林書房)、「世界の自動車100点」(講談社)、「世界の名車」30巻(保育社)、「男の鉄道ホビイ」(エイ出版社)などがある。