日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年11月1日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

今でも空冷ポルシェの愛好家は多い

1970年のポルシェ911。考えてみれば車齢40年近いクラシックだが、現代でも充分に通用する。ランプはオーナーの好みで追加されたもの
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 クルマが面白くない、なにかいいクルマはない?

 そんな質問をされることが往々にしてあるのだが、小生の答えのひとつが、初期のポルシェ911はいかが、というものだ。

 ポルシェ911はいまでも高性能、高級スポーツカーとして好調な販売がつづいているが、その初期のモデルには、ポルシェの目指す原点のようなものが包み隠すことなく現われていて、一度体験してみるのは悪くない、と薦めたくなる。

 1960年代中盤に登場したのだが、ごくごく初期のモデルは未完成の部分があって、1969年あたりから1973年までのモデルが「オリジナル・ポルシェ911」として光るものを持っている。もちろん、それには裏付けるべきメカニズム、スペックが備わっているということで、それらを順に紹介していきたい。

 まず、長いことポルシェ911が捨てられないでいるものがふたつある。リアエンジン/リアドライブというドライブ方式と水平対向6気筒エンジンだ。もうひとつ、ポルシェらしさというものに、空冷エンジンがあったが、さすがにエンジン制御や暖房などにおけるデメリットのために、いまから10年前に水冷化と同時に4バルブ化を実現している。

 進化にちがいないのだが、ポルシェ911が本来の姿を失うことに戸惑いをみせるクルマ好きは少なくなく、未だに10年前の空冷ポルシェ911最終モデル(993ポルシェと呼ばれる)を愛好しつづける愛好家がいることを書き添えておこう。