ドイツ的な工作水準で組み上げられたエンジン

ポルシェ好きには見慣れたエンジン・ルームの景観。中央は空冷のファンで、エンジン本体は深く下に沈んでいる
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 初期のポルシェ911は、空冷水平対向6気筒SOHCエンジンをプラットフォーム・シャシーのリアに搭載し、後輪を駆動していた。排気量も当初は2.0L、1973年モデルでも2.4Lである。それでも高性能版では160PS〜190PSを発揮していたのだから、チューニングの度合い、少なくとも体感されるパワーという点ではいまでも不足は感じられない。

 素材として軽合金をはじめ適材を適所に使い、しかもドイツ的な工作水準できっちりと組み上げられたエンジンは、「精度が違う」印象を与えた。

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 ギアボックスは当時から優秀なシンクロの5段、長いリモート・コントロールのために、想像されるようなスポーツカー的にスパッと決まるものではなく、独特のシフト感のギアボックスだ。

 ステアリングは相応のキックバックのあるラック&ピニオン、前がマクファーソン・ストラット+トーション・バー、リアがセミトレーリング・アーム+トーション・バーというサスペンション。扁平率70という現代の目で見れば頼りないほどに細いタイヤを履いていた。