日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年8月2日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

ロータス・セブンに端を発するクルマ

ケーターハム・スーパー・セブン。見るからにシンプル、走るためだけにつくられたクルマであることが、この写真からもわかる
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 大小の鋼管を組んでつくられたフレームに、アルミとFRPを使い分けた最小限のボディをリベットやボルトで留めていく。鋼管中心の足周りを組み込み、量産車のそれを適宜選択したエンジンを、ギアボックスとともに載せる。内装など、特記するほどでもない。スーパー・セブンは、とにかく走らせるためだけにつくられた「シングル・パーパスカー」。

 そのハードウェアも実に簡単明瞭、シンプルそのもの。エンジンは時にフォードであったりヴォグゾールであったり、量産車のそれを適宜選択。初期のスーパー・セブンはかつてロータスが使っていたエンジンをそのまま使っていたりした。チューニング・アップしたエンジンに軽量このうえないボディだから、運動性能的には折り紙が付くが、荷物ひとつ置くスペースもない、走って楽しむだけのクルマ。

 豪華装備に飾りたてられ、いかにして運転を簡略化しようかと企てられ、ともすれば、自動車というものの本質を見失ってしまいそうになっている昨今のクルマに対するアンチテーゼのようでもある。

 英国という国は面白いところで、なにごとにも人の意志が強く反映しているように思える。クルマなども、他の人がどう思おうと、自分が気に入ったものはとことん追求するし、また、それを許す、共鳴する雰囲気が感じられる。ケーターハム・スーパー・セブンなどというクルマが誕生し得た理由も、そんな英国的風土によるものかも知れない。

 クルマ好きというような人ならば、このクルマがそもそもはロータス社でつくられた、ロータス・セブンに端を発することをご存知だろう。