日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年5月10日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

カロッツェリア主導の生産方式でロングセラーに

1966年モデル、初期のアルファ・ロメオ・スパイダー。サイドに凹面を採り入れた斬新なデザインが評判になった
[画像のクリックで拡大表示]

 現在でも同じスパイダーの名は、モデルチェンジされた新モデルの名前となって輸入販売がつづけられているが、ここで採り上げるアルファ・ロメオのスパイダーはそのルーツというべき1966年に発表された「ジュリア・シリーズ」と呼ばれるものである。

 イタリアの特徴的なカロッツェリアによって架装されたボディを持つオープン・スポーツカー。それをここで採り上げるには、ふたつの理由がある。

 ひとつは、量産された共通のフロアパンを利用して、いくつものボディタイプを生産するカロッツェリア主導のイタリア式生産方式のこと。そしてもうひとつは、マイナーチェンジをつづけながら四半世紀以上に渡ってロングセラーを続けたこと、である。

 流行に左右されやすいスポーツカーでありながらのロングセラー、晩年には有効なスタイリングのリメイクを施し、旧さをまったく感じさせないまでにリフレッシュされた。オリジナルのボディ・スタイリングを手掛けたのと同じ、カロッツェリア・ピニンファリーナによるもので、さすがの手腕を見せつけたのであった。

 アルファ・ロメオというブランドは、すでに100年近い歴史を持つイタリアの伝統的ブランドのひとつだが、1950年代中盤にそれまでの大型高級車のハンドメイドという手法を改め、初めて小型量産車の生産に乗り出す。そのヒットによって礎をつくり、つづいて1960年代に1.6リットル級の「ジュリア・シリーズ」を送り出す。