日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年12月21日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

 ちょっと昔からのクルマ好きならば、身近なスポーツカーの典型としてMGBというクルマをご存知だろう。ユーノス・ロードスターの1960年代版といってもいいような、トラディショナルなオープン・モデルである。

MGBは伝統的なスポーツカーの典型。そこそこの性能とスポーツカーらしさを安価に提供した。1962年のデビューから50万台以上のヒットとなり、広く親しまれた
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 1.8L級のエンジンを持ち、マニュアルの4段ギアボックスにはオプションでオーバードライブ(スウィッチで3速、4速ギアに、0.802のより高速レシオが選べる)もあり、もちろんフロント・エンジン/リア・ドライヴのレイアウト。

 サスペンションはフロントがウィッシュボーン+コイルの独立だが、リアはリーフで吊られたリジッド。ブレーキもフロントにのみディスクが導入されている。フレームこそボディと一体になったモノコックが採用されたが、オープン、2シーターのスタイルは当時の伝統的、典型的なスポーツカーの形を示していた。

 つまり、性能的にさほど突出してはいないけれど、そこそこの実用性も備え、趣味と実用の両方を賄うことのできるスポーツカーを安価に提供したのである。前モデルにあたるMGAが10万台というスポーツカーとして驚異の生産台数を達成して話題となったが、MGBはその5倍の数字を叩きだした。