日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年10月26日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。
スーパーカーと似て非なるホンダNSXのスタイリング。これでもうひと回りコンパクトで緊迫感のあるスタイリングだったら・・と指摘するクルマ好きも少なくなかった
[画像のクリックで拡大表示]

 トヨタ・ソアラは、1980年代のトヨタがイメージリーダーとすべく技術を盛り込んで送り出したモデルといえる。それがそのまま10年後のホンダNSXに共通する。

 しかし、10年間の技術的進化、またホンダというメーカーのチャレンジ精神は、オーソドックスかつコンベンショナルなソアラとは対極に位置するクルマとして登場させた。

 ホンダNSXの一番の見どころはボディ/シャシーをすべてアルミのモノコックで生産したことである。書けば簡単なことのように思うかも知れないが、アルミという金属は鉄に較べて約1/3という軽量である半面、引っ張り強度、伸展性が低いことから加工しにくく、また通電性がよすぎて溶接もしにくいという、クルマのボディを形づくるには難しい特性を持 つ。

 ホンダは、神戸製鋼、スカイアルミ両社との共同開発した専用素材を用い、このクルマのための専用組立ライン、さらには大量に電流を要するアルミ溶接のために変電所までつくるという力の入れようだった。