日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年6月29日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

Bigger Inside, Smaller Outside

全長3050mmというコンパクトなボディの四隅に10インチ・タイヤをはいたミニのスタイリングは、まさに中は広く、外は小さい
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 ミニというクルマは、いまだに数多くの愛好者に賞賛されて止まない。2000年から生産をはじめたBMW社製の現代のミニではない。21世紀を待たずして、40年の歴史を閉じた英国製ミニのことである。

 ヴィンテージ・ミニ、クラシック・ミニ、トラディッショナル・ミニ、呼び方はいろいろだが、いずれもこの小さな英国車に対する少なからぬ尊敬の念が込められている。

 それというのも、1959年に誕生した英国ミニは「小型車の革新」というような自動車史のなかのエポック、その呼び名にも誇りが窺われるからだ。

 ミニのコンセプトをひと口でいうと「Bigger Inside, Smaller Outside」。つまり室内はできるだけ広く、外寸はできるだけ小さくすることが考えられた。それまでの乗用車といえば、大きい図体の方が割安感があっていい、といわんばかりだった。小さなクルマをつくる、その発想をしたこと自体がすでに革新的であったといえる。