日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年9月25日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

ジープ・タイプの後継「ツーリング・ワゴン」

スバル・レオーネ「ツーリング・ワゴン」は、スバルお得意の4WDメカニズムを採り入れたエステート。スバルらしい1台だった
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 すべてのブランドがおしなべて個性的でないといわれる昨今のわが国産車の中で、とりわけメカニズム的に見たときに、スバルの存在は際立っている。いうまでもなく、水平対向エンジンによる4WDを採り入れた乗用車は、長くスバルのみが確立したスペックのようにいわれてきた。

 その主流というべきモデルとしてスバル・レオーネの名前が挙がるのだが、今回、一般的な4ドア・サルーンでなく、ツーリング・ワゴンを採り上げたのには訳がある。ニッチ・マーケットという言葉がまだ一般に認知されていないころから、スバルは独自の技術、スペックを武器にニッチなモデルに輝きをみせていたように思う。

 スバル360にはじまる「軽」自動車によって乗用車生産に乗り出したスバルは、1965年に小型車、スバル1000を送り出す。水平対向エンジン、前輪駆動という独自の世界を作り上げ、登場と同時にその名は広く知れ渡った。特に技術系のユーザーは、その独自のメカニズムに大いなるシンパシーを感じたという。それに続くスバルの打ち上げたインパクトが4WDであった。まだ4WDはいわゆるジープ・タイプのオフロードを走るもの、と思われていた時代、すなわち1972年に、初の4WD車レオーネを発売したのである。それは、さすがにサルーンではなく5ドアのエステート。つまり、そのルーツの直接の後継に当たるスバル・レオーネ「ツーリング・ワゴン」を紹介しよう、というわけである。