日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年12月27日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

バブルが「軽」にも押し寄せた

スズキ・アルト・ワークスRS-Rの挑発的なアピアランス。基本は「軽」そのものの2ボックスだが、スポイラー、レタリングなどで武装
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 DOHC、1気筒あたり4バルブ、インタークーラー+ターボ・チャージャ、水冷式オイル・クーラー、電子制御進角システム、電子制御フューエル・インジェクションなどを装着して、実に117.8PS/Lという驚異の比出力。80PS/Lで高性能、100PS/Lはレースカー級といわれていたような時代だから、そのパワーは一気に突き抜けていた。それで、扁平タイヤを履いた四輪をフルタイム4WD駆動する…。

 それがスズキ・アルト・ワークスの名前を一気に人々に知らしめた。スズキ・アルトというのはスズキの「軽」の中心モデルとして好調な販売をつづけていた。ということは当時「軽」のトップ・ブランドを死守していたスズキだから、アルトはわが国を代表する「軽」のひとつだった。

 そのアルトに「ワークス」仕様と銘打って、超高性能版を送り出したのは、たとえばダイハツ・リーザなどとのパワーウォーズの結果、というものでもあった。思い起こせば妙な時代だった、といえるかも知れない。1980年代後半、バブルが「軽」にも押し寄せたというようなものであった。