日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年10月4日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

スタイリッシュなクーペに変身したフェアレディ

全長の半分はあろうかという長いノーズ、ルーフからそのまま流れるように切り立ったリアエンドに至るファストバック・スタイル。フェアレディZはそのスタイリングがまず魅力
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 S30系フェアレディZというのは、1969年に発売された初代フェアレディZのことである。それまで、オープン・スポーツカーの日産フェアレディが10年にわたってつくられていた。それは、第1回の「日本グランプリ」で優勝してみせた国産車としてごく初期の本格的スポーツカーである。最初1.5Lだったのが最終的には直列4気筒2.0Lのエンジンを搭載し、豪快な走り振りで人気のモデルのひとつだった。

 それが、いきなりスタイリッシュなクーペに変身してしまったのだから、まずそのコンセプトに、変貌振りについて述べておく必要がある。

 確かに世の中の風潮として、スパルタンなオープン・スポーツカーよりもラグジュアリなGTカーの人気が高まっていくときであった。それに追い打ちをかけるように、米国での安全基準が実施される。昔ながらのクルマは生きにくくなっていく。