日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年12月7日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

「ベレル」の妹分として名付けられる

ベレットGTには受注生産でファストバックという特装版がつくられた。リア・シートを倒すことができた
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 いすゞというブランドの名を訊くことすら稀になってきたが、かつてはトラック、バスそして乗用車のブランドとして、独自のポジションを持っていた。

 旧くは1950年代に英国ヒルマン車のノックダウンにはじまり、1960年代には自社開発のベレル、さらに小型車ベレットとつづく良き時代のいすゞ乗用車群は、それぞれにどこか光るところがあった。発展期にあったわが国産車メーカーの中にあって、メカニズムに凝った技術志向のブランドというイメージを強く打ち出していた。

 そんないすゞの小型車、ベレットは1963年に発売され、モデルチェンジをつづけながら1973年まで生産された。ベレルの妹分ということでベレットと名付けられた辺りからも窺えるように、多分に欧州志向のクルマであった。すなわち、小排気量で高性能なエンジンにちょっと硬めのサスペンションの組み合わせで、きびきび走ることが目指された。

 当初はベレット1500として登場するが、間もなくベレットGT、さらにはベレットGTRとバリエーション展開していったのも、その目指す方向性に叶ったものだ。