「史上最強・・」ではあったけれど、クルマ好きを熱狂させはしなかった。見ようによっては、実におとなしいサルーンに映る
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「GT-R」にはなり得なかった「RS」

 基本的に「RS」、そして「GT-R」も量産スカイラインのボディ、シャシーを利用して、それを並外れたエンジンで武装するというのがはじまりだから、この場合もエンジンが中心であったといっていい。そのエンジンが、かつての「GT-R」が6気筒24バルブを売り物にしていたのに対し、4気筒16バルブであることから、「GT-R」ではなくて「RS」を名乗った、という。

 しかし、結論的にいうならば、たとえ「史上最強・・」をうたい、事実エンジン出力の点では確かにかつての「GT-R」をしのいでいたとはいえ、「RS」は「GT-R」ほどの熱狂を生むことはなかった。クルマが単に移動の道具に終わっていないという根拠なのかも知れないが、とりわけクルマ好きというような人たちにはクルマの持つ物語性だとかバックグラウンドというようなものが大切だったりする。つまり「GT- R」という名前の持つブランド・バリューが、それが逆にスカイライン全体のイメージを高めたりする。結局「RS」は「GT-R」にはなり得ぬまま、R32 型「GT-R」の登場まで待つことになるのだった。いまでは、日産GT-Rの登場などの話題の影になって、「RS」などその存在自体が忘れ去られつつある。

著者/いのうえ・こーいち
理工系大学院修了。日本写真家協会(JPS)、日本写真作家協会(JPA)会員。 主な連載誌は小学館「ラピタ」、日本カメラ社「日本カメラ」、エイ出版 「東京生活」、サドルシューズ「ミニフリーク」など。クルマをはじめとして,乗り物全般を愛好する。著書には「客車好き」(JTBパブリッシング)、「ぼくの好きな時代、ぼくの好きな車たち」(エイ出版)、「クルマ好きはやっぱりフェラーリが好き」(二玄社)、「アルファ156」(経林書房)、「世界の自動車100点」(講談社)、「世界の名車」30巻(保育社)、「男の鉄道ホビイ」(エイ出版社)などがある。