日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2006年8月10日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。
マツダ・コスモ・スポーツは、コンパクトなロータリー・エンジン搭載車であることを強調して、低いボンネットラインが採用された
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 いまや世界で唯一の「ヴァンケル・エンジン(ロータリー・エンジン)」搭載車をつくるマツダ。そのルーツにコスモ・スポーツがある。1963年の第10回全日本自動車ショウ(のちの東京モーター・ショー)、そこにはようやく完成の域に達した2基のエンジンが展示された。

 それだけでなく、当時の松田恒次社長がまだ発表前の試作車を自ら運転して登場。耐久性を証明するために、帰路は広島までロングランしてみせて話題を呼んだ。それは翌年の第11回ショーでプロトタイプ展示に結びついている。

 考えてみれば、エンジンの基本は100年前と変わりない。いかにエレクトロニクスで制御が緻密になり、経済性や性能が向上したとはいえ、基本的にはピストンの往復運動を利用している。