日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年2月14日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。
トヨタ・セリカの最上級モデル、セリカGT。フルチョイスとはいうものの、残っているのはセリカGTだけ、という印象だ
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ワイドな選択ができることを主張

 思い返せばもう40年近くも前のことになる。「1970年代の新しいカーライフを提案」するとして、トヨタのスペシャルティカー、セリカが発表されたのは1970年10月のことである。それは1969年の東京モーターショウに展示されたプロトタイプ、EX-1 の市販化ということであったが、話題はそれだけにとどまらず、当時の若者を大いに興奮させたものだ。

 「2T-G」型という新開発のDOHCエンジンをはじめとするハードウエアもだが、それ以上に「フルチョイス・システム」と呼んだ販売法などソフトウエアに大きな特徴があった。それは、購入しようとする人が、ボディ外装、エンジン、インテリアなどを自由に組み合わせてオーダーできるというもの。

 たとえばエンジンだけでも、水冷直列4気筒OHV1.4L、86PS、同じく1.6L、100PS、それをツイン・キャブ105PSとしたもの、最高峰の115PS「2T-G」型の4タイプが用意された。ボディも基本シェイプは同じだが、モールやデカール、小さなパーツの有無でET、LT、ST、GTが作り分けられた。そしてそれらを組み合わせて、57.2万円から87.5万円までのワイドな選択ができることを主張した。

 ただし、最上級の「GT」だけは、セリカ1600GTとして決まったグレードになっており、結局は「なんでも最高のもの」を選択するユーザーが多いことを再認識する結果になった、と訊く。