“eスポーツ後進国”を強みに変える

――ゲームを巡る世界的な流れとしてeスポーツの隆盛があり、ついに日本でもJeSUの設立に至りました。

岡村秀樹氏(以下、岡村氏): 日本ではいまだに「eスポーツ」という言葉すら一般化していない状況ですが、何年も前からeスポーツに真剣に取り組んできた人たちがいました。でもその動きについては、うまく足並みがそろっていたわけではありません。eスポーツの振興を目的とする団体も3つ存在し、それぞれが違う視点で活動をしていたのです。そこで国内のゲーム関連団体であるCESAとJOGA(一般社団法人日本オンラインゲーム協会)が協力し、eスポーツの3団体を統合する形でJeSUが設立されたのです。

――CESAとJOGAというIP(キャラクターなどの知的財産を含むゲームの版権)ホルダーの団体が協力しているところはJeSUの大きな特徴だと思います。

岡村氏: eスポーツを巡る動きは、海外のほうが先行しているのは確かです。しかし、一方でIPホルダーと大会を主催する興行主との間で利害が衝突し、訴訟問題にまで発展しているケースが散見されます。例えばあるゲーム大会で、IPホルダーと大会の興行主がそれぞれ別のスポンサーを付けてしまうといったケースですね。
 その点、日本は後発だからこそこうした先行者の事例から学ぶことができ、それをアドバンテージに変えられます。つまり、IPホルダーとeスポーツを推進する人たち、そして興行をする人たちが共通の基盤の上で産業を興す、これがJeSUの存在において重要な部分なのです。実はIPホルダーの業界団体が協力してeスポーツの統一的な団体を作るというのは海外でも例がなく、JeSUは世界的に見て画期的な存在と言えます。JeSUという統一団体にエネルギーを集約するからこそ、eスポーツの健全な発展に寄与できる。そう考えると、いい枠組みが作れたと思います。

――JeSUはJOC(日本オリンピック委員会)への加盟も当初から目標として掲げています。

岡村氏: IPホルダーと興行主間の問題だけでなく、一つにまとまることのもう一つの大義が「JOCへの加盟」です。JOCへ加盟するには、統一された団体であることが求められています。それならeスポーツの推進団体だけでなく、IPホルダーであるわれわれとも手を取り合って一緒にやりましょうという流れが生まれたのです。3つの団体が統合するだけでなく、立場の違うIPホルダーも加わるので、話し合いにはかなり時間をかけました。