終わりなき「産業の勃興」に挑むJeSU

――一方、ゲームのユーザーから見たCESAの取り組みとして最も大きな出来事は、やはりJeSUの設立だと思います。

岡村氏: これも就任当初は想定していなかったことですね(笑)。オリンピックの正式競技採用の流れが生まれるなど、世界的に見てeスポーツは急激な盛り上がりを見せています。先日も「全米高等学校連盟がeスポーツを競技として採択」という報道がありました。台湾は日本でいう文部科学省の直下にeスポーツ団体を組み入れ、また北京大学ではeスポーツとゲームの学科を作ったところ、定員オーバーになるくらいの人気だったそうです。そのほか韓国でもeスポーツ団体の「KeSPA」に税金を投入して、eスポーツの啓蒙活動、大会開催、選手育成に積極的に取り組んでいます。

――世界から見てというだけでなく、アジアのなかでも日本のeスポーツ環境は遅れているかもしれませんね。

岡村氏: そうですね、日本ではまだまだ「eスポーツ」という言葉すら一般には知られていないのが現状です。JeSU設立以前は複数のコミュニティがそれぞれ活動していましたが、それはあくまで個別の動きでしたし、いくつか法令に関わるような問題もありました。そうしたなかバラバラだった活動を統一して、eスポーツの団体を民間から立ち上げようという動きが生まれ、国内のゲーム関連団体として最大のCESAとJOGAが協力し、eスポーツの3団体を統合する形でJeSUが設立されました。

――なるほど。

2018年2月1日のJeSU設立発表会でスピーチする岡村会長(写真:酒井康治)
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岡村氏: この3年間を振り返ると、「ガチャ問題」「資金決済法への対応」「JeSU設立」というこれら3つの出来事が大きかったと言えます。一つ終わったと思ったら次の問題に追われる、そんな3年間だった気がします。

――3つのタイミングがずれていたのは幸いだったと言えるのでしょうか。

岡村氏: どれか一つでも重なっていたら、こんな風に笑顔で振り返っていられなかったかもしれません(笑)。

――その3つのなかで最も困難だった課題は何でしょう。

岡村氏: JeSUですね。eスポーツを産業として勃興させるためには、団体として能動的に動かなければなりません。ほか二つの活動については、ガイドラインを作ったあとは必要に応じて個別事例への対処を追加していくのが主なので、はっきりと区切りがついています。ところがJeSUの活動は社会に認知していただいたり、関連法への対応に動いたりと活動を続けるほどやらねばならないことが増えていき、終わりがありません。日ごと難度が急上昇中です(笑)。