AIやVRはゲームにどう生きてくるのか

――昨年にはVR(仮想現実)に関する取り組みを打ち出していましたが、現在どのような状況でしょうか。

森下: AR(拡張現実)は2005年ごろからやっていました。VRについても収益化が目的ではないですが取り組んでいます。余裕があるうちに技術的な可能性を探ることが目的で、あくまで技術的な検証や研究を重視したものになります。

――技術という意味でいうと、最近はAI(人工知能)への関心が急速に高まっています。AIとゲームとの関係について、どのように見ていますか?

森下: ビッグデータと機械学習を活用し、プレーヤーのプレーデータからいかに新しい体験を提供できるかという取り組みは、『LET IT DIE』を開発しているときから考えていました。AIはゲームの未来の中で重要なポイントになると考えていて、ゲームにどのような形でAIを取り込み、面白さとして展開していけるかは非常に重要な研究課題だと考えています。

 ですが最終的には、どのような技術を使っても中身が面白いかどうかが問われる世界ですので、その軸を見失うことなく、いかにAIを活用していくかは今後大きなテーマとなってくるのではないでしょうか。

――最後に、『パズドラ』の6周年を迎えるに当たって新たな戦略「パズドラプロジェクト2018」を打ち出しましたが、『パズドラ』が最終的に目指すところを教えてください。

森下: あくまで短期的な収益ではなく、長期的視野に立ったとき、IPとしてどうブランディングしていくかを考えています。5年後、10年後にはスマートフォンが存在しないかもしれませんし、そのとき自分たちで提供するゲームをどう収益化するかは非常に重要なこと。そのためにもブランドをいかに根付かせるかが、大きな意味を持つと考えています。

 eスポーツ、プロゲーマーといった施策も長期的なロードマップの一環で、『パズドラ』というIPを育てるための施策なのです。あくまでパズルアクションをコアとしながら、それをどう広げていくか、色々なことをやり続けていくことがすごく大事です。『パズドラ』も6年やってきましたが、まだ6年ですから。

――ありがとうございました。

「パズドラプロジェクト2018」のメディア向け発表会での森下氏(左)。6周年を迎えた『パズドラ』シリーズの今後の展開を発表した
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日本ゲーム産業史
ゲームソフトの巨人たち
日本ゲーム産業史 ゲームソフトの巨人たち


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