フレンドリーな店にはフレンドリーな常連?

 岡野さんに接客で大事にしていることを伺った。

「お客さんに気を使ってほしくないということですね。なので、こちらからなるべく、フレンドリーに話しかけるようにしています。難しいけれど、ある程度できていると思います」

 僕もできていると思う。岡野さんだけでなく、金澤さんも、もちろんさとみさんも全員フレンドリーである。笑顔がいい。

 そのうち、常連さんが話し掛けてきた。取材だと言うと協力してくださるという。徳山さんという方で、月に4回は来るのだという。

「どこがそんなに気に入ってるんですか?」
「接客がいいところですね。あとは、やきとりが好きなもので。ここのは大ぶりで おいしい」

 常連さんはちゃんとやきとり屋だと分かっているのであった。

月に4回は来るという常連さん
[画像のクリックで拡大表示]

 それにしても、フレンドリーな方であった。店側がフレンドリーだと、常連さんもフレンドリーになるのだろうか?

 さて、そろそろ帰ろうかと思って、お勘定をお願いすると、外国人の二人連れが入ってきた。日本語が通じるので話を伺ったところ、フランスの方だと言う。

「今日は、日本のおいしいやきとりを食べにきました」

 あいたた。常連さんだけでなく、外国の人もやきとり屋だと知っていたのであった。

 本当に失礼しました。でも、僕が間違えるぐらい、やきとり以外の料理もハイレベルなのである。

静かな路地の中でひときわ明るい「煙や てん」
[画像のクリックで拡大表示]
取材情報
■取材日: 2015年2月23日
■店 名: 煙や てん
■住 所: 東京都千代田区平河町1-7-19まるベリーひらかわビル1F
森川 滋之(もりかわ・しげゆき)
広告戦略コンサルタント、ライター
森川 滋之

1963年金沢生まれ。本籍大阪。千葉育ち・在住。京都大学文学部卒業後、東洋情報システム(現TIS)に入社。20以上のプロジェクトのリーダーを務めた後、セールスレップとして転職。2005年 にITコンサルタントとして独立。その後様々な事業に手を出すが、激しい浮き沈みを体験。本業の傍ら、収入の安定のために企業のPRライターとしてキャリアを積むうちに、マーケティングと広告に関する独自の方法論「G9M」を構築、「売り込まないで差別化する」広告戦略コンサルタントとして、大手IT企業から中小製造業まで、主にBtoB企業の広告戦略策定を支援している。著書に『奇跡の営業所』(きこ書房)、『SEのための「不況に強い」 営業力のつけ方』(技術評論社)などがある。医者の冷たい目に耐えながら、週に2日以上は飲みに行く生活を継続中。