「ふりそで」でノックアウト

 メニューをよく見ると「ふりそで」と書いてある。たぶん羽を広げたときにぶら下がっているあたりの肉だと思うのだが、食べたことがない。さとみさんに聞くと、まさにその通りだというので、「レバー」と「つくね」と一緒に注文した。

 先に出てきたのはレバー。白レバーと思われる味と食感。クリーミーで濃厚だ。

クリーミーで濃厚なレバー
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 次にきたのが、ふりそで。平らな肉が出てくるのかと思ったのだが、イメージとは全然違い、コロッとした形をしている。表面はパリパリで味わいは淡白。胸肉もマグロのような味があるが、これはもっとマグロっぽい味だ。期待以上である。頼んでよかった。

 目の前で仕事をしている人に「これ、他の呼び方があるんですか?」と聞いたところ、彼自身もいろいろなやきとり屋に行くのだが、そもそも置いている店をほとんど見たことがないと言う。

マグロっぽい、ふりそで
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 続いてつくねも出てきた。団子ではなく棒状のつくねだが、大井町の2軒(JAKOきむきむ。どちらも団子状のつくねだった)と似た味わいである。オーソドックスなつくねだ。玉ねぎの食感がたまらない。

たまねぎの食感がたまらない、つくね
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 どれもうまいが、特にふりそでは出色である。「やきとり屋」として取材する価値は十分にある。取材を申し込むべく、さとみさんに店長はどなたかと聞くと、目の前で仕事をしている人だという。早速、挨拶をする。

「ここ実は3回目なんですが、やきとりもおいしいのでJAGZYというWeb媒体に、やきとりの記事を載せさせてほしいんです」

「いいですけど、うちはそもそもやきとり屋なんですよ」

「えっ? 実はここでやきとりをいただくのは初めてで、やきとりもうまい居酒屋という感じで書かせてもらおうと思ったんですが、そうだったんですね。大変失礼しました。でも、以前来た時は魚がおいしかったものだから……」

「オーナーが北海道とパイプがあって、産地直送のおいしい魚を仕入れて来ることがあるんですよ」

「なるほど」

ということで、何のことはない、やきとり屋にやきとりの取材を申し込んだだけだったのだ。しかし、3回目でようやく気付くとは、我ながら間が抜けている。