ここ数年急拡大している、プログラミング教育市場をテーマにしたトークセッションがTREND EXPO TOKYO 2016で開催された。小学生、中高生、社会人向けにそれぞれスクールを展開するトップランナー3名が一堂に会し、日本のプログラミング教育の現状と展望を語った。

子どもも大人も、プログラミングを学ぶ人が急増中

上野朝大氏
CA Tech Kids 代表取締役社長

 日本でも2020年から、小学校で必修化されることになった「プログラミング」。小学生向けにプログラミング教室を展開する、CA Tech Kids代表取締役社長の上野朝大氏によれば、こうした動きは日本だけでなく、世界中に広がっているという。

 「フィンランドやイギリスなど、すでに多くの国でプログラミングが必修化されている。第四次産業革命の時代、一説には人間の仕事の半分はAI(人工知能)が奪ってしまうとも。そこを生き抜いていくには、プログラミング能力が必要といわれている」

 同社ではスクールの運営のほか、子どもたちにプログラミングの楽しさを知ってもらうため、ワークショップを実施。今年の夏休みは1500人が参加した。またスクールは全国に8教室を展開し、約1100人が学ぶ。最初は1教室からスタートしたが、その規模は3年間で20倍と急成長しているという。

水野雄介氏
ライフイズテック 代表取締役CEO

 中高生向けのIT教室を展開するライフイズテック 代表取締役 CEOの水野雄介氏は、元物理教師という異色の経歴の持ち主だ。同社が実施するプログラミング・ITキャンプには、のべ2万人の中高生が参加。現在は20大学と連携し、大学生が中高生を教えているという。

 日本の教育を変えたくて起業したという水野氏が目指すのは、「ITを学ぶことで幸せな将来が待っているという、新しい道筋を作る」こと。現在同社では日本だけでなく、シンガポールやオーストラリアにも事業を拡大しているという。

 「どの国でも教える人がいないという悩みは同じで、日本が特別に遅れているとかそういうことはない」と水野氏。「英語教育は、英語が母国語の国に対して、日本ではマイナスをゼロにするような教育だが、プログラミングは横一線。しかもプログラミング的思考を身につけることは、モノをつくる力を身につけることにつながる。日本人はモノづくりが得意です。子どもたちがプログラミングを学ぶことは、日本が21世紀を生き抜く力になる」と語る。

池田洋宣氏
コードキャンプ 代表取締役

 子ども向けの教育を手がける2社に対し、社会人向けのプログラミング教育事業を展開するのがコードキャンプだ。代表取締役の池田洋宣氏によれば、これまでのべ1万3000人が同社のコースを受講。登録する200人以上のエンジニアから、マンツーマンのオンライン指導が受けられるのが同社のコースの特徴で、IT系以外の企業などでも、そのニーズも高まっているという。

 「エンジニアになりたい、育てたいという理由ではなく、エンジニア以外の職種の人が教養としてプログラミングを学びたい、学ばせたいというケースが増えている」と池田氏。

 「社会人の勉強といえばマネジメントがまず思い浮かぶが、人を管理するためのスキルがマネジメントなら、コンピュータを管理するためのスキルがプログラミング。今後はこの知識を持っていることが重要になると、いち早く気づいた人が学び始めている」という。