前回紹介した通り、最低でも6時間以上は睡眠時間を確保したほうがいい。睡眠不足は頭の回転を悪くするだけでなく、生活習慣病のリスクを高めるからだ。

 ところが激務に追われるビジネスパーソンにとって、毎日6時間の睡眠時間を確保することは、簡単なことではないだろう。「平成27年国民健康・栄養調査」によると、平均睡眠時間が6時間未満の人は39.5%もいた。特に30代男性は45.7%、40代男性は49.0%を占めている。

 眠りたくても時間が取れない――そんな人たちに向けて、今回は「上手な仮眠術」を紹介しよう。仕事の合間にうまく仮眠を取って、夜の睡眠不足を少しでも補ってほしい。

仮眠には4種類ある

 雨晴クリニック(富山県高岡市)の坪田聡副院長は、「仮眠(ナップ:nap)には、『パワー・ナップ』『マイクロ・ナップ』『ミニ・ナップ』『ホリデー・ナップ』と、全部で4種類ある」と話す。パワー・ナップを基本に、状況に応じてほかの仮眠を組み合わせるのが上手な仮眠術という。

 基本となるパワー・ナップは、20分程度の昼寝のこと。昼休みが1時間あれば、20分の時間を作るのはそれほど難しくないだろう。体内時計のサイクルから、昼食後は日中で最も眠気が強くなる時間帯。このタイミングでうまく仮眠を取ると、午後の仕事がはかどるようになるはずだ。

 若者に1時間のパソコン作業を行わせ、20分間の休憩を挟み、再び1時間の作業をさせた実験がある。休憩中に仮眠を取らなかった場合は、休憩後の作業で時間が経つにつれて眠気や疲労度が高まった。一方、仮眠を取ると眠気が起こりにくくなり、疲れを感じず、作業意欲が衰えなかった(Ergonomics. 2004 Nov;47(14):1549-60)。また、NASA(米航空宇宙局)が宇宙飛行士に行った実験でも、平均26分の仮眠によって認知能力が34%、注意力が54%アップした。

仮眠をうまく活用できれば、仕事もはかどる。寝不足のビジネスパーソンはぜひ身に着けたいスキルだ。Ushico / PIXTA(ピクスタ)
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