前回、脂質のマネジメントは、脂マネジメント研究会が発足するなど、現在ホットな話題と書いた。今回から3回に分けて、脂質のマネジメント――脂質についての正しい知識、リスクの理解、リスクの予防策・回避策を詳しく解説していこう。

脂質のマネジメントを解説する。今回は脂質の正しい知識と、とりすぎのリスクを確認してほしい。Ushico / PIXTA(ピクスタ)
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脂質は適量摂取が肝心!

 脂質(あるいは脂肪※)は、糖質、たんぱく質とともに三大栄養素の一つを担っている。人間が生きていくのに絶対に必要なエネルギー源として機能している。そのことは、人間の体を構成する主な成分のうち、水分の60%に次いで、脂質とたんぱく質がそれぞれ15~20%と大きいことからも理解できる。これだけの量が最低限ないと、人間は健康に生きていけないというわけだ。加えて、下記のような役割があることが分かっている。

・細胞膜の材料になる
・脳と神経系の機能を維持する
・体温を維持し、臓器を保護する
・血液・ホルモンの材料になる
・髪や肌を健康に保つ

脂質と脂肪…脂質とは生物の体の中に存在する物質のなかで、水に溶けないものを総称したもの。人間の場合は、主に中性脂肪とコレステロールで構成される。一方の脂肪は生物に含まれる栄養素の一つ。主に中性脂肪のことを指す場合が多い。この記事中では、特に断りがない場合は、脂質=脂肪=中性脂肪(詳しくは後述)と考えていただいて構わない。


 脂質には多岐にわたる役割があり、脂質のマネジメントを考えるうえでは、まず適正な摂取量が大切だ。脂質の1日の摂取量が1日に必要な適正量であれば、脂質はすべてエネルギーとして消費されるので、脂質がため込まれることはない。脂マネジメント研究会が、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」と文部科学省「日本食品標準成分表」より算出した成人男子(30~49歳)が1日に摂取する脂質の適正量は約74グラム。最近ではスーパー、コンビニの総菜や弁当にも脂質量が明示されていることが多いので、こうした数値を参考に脂質量を意識するといいだろう。

 では、なぜ脂質をとりすぎると太るのか? 繰り返しになるが脂質は人間が生命活動を維持するための最も効率の良いエネルギー源である。しかし活動量が少ないと、余った脂質が“もしものときのエネルギー源”として体内にため込まれる。ため込まれた物質を「中性脂肪」と呼ぶ。これが内臓脂肪や皮下脂肪となり、おなかまわりなどを大きくしてしまうわけだ。

最近のスーパーやコンビニの商品には、栄養成分表示があり、ここに脂質の項目がある場合が多い
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