前回お伝えしたように、自動運転技術の1つであるクルマを完全に停止させる自動ブレーキは、ボルボの「シティ・セーフティ」をきっかけ に急速に広がった。その後、各メーカーが先進の安全運転支援システムをアピールしたこともあり、乗用車の自動運転だけが脚光を浴びてきた印象がある。しかし、タクシーやバスなど公共交通機関こそ自動運転のニーズは高い。今回は、こうしたクルマの自動運転事情を紹介したい。

「ゆりかもめ」はすでに実用化

 公共交通機関の自動運転への取り組みは、世界でもまだ始まったばかりだが、日本ではすでに実用化されているものがある。それが新橋と豊洲を結ぶ新交通システム「ゆりかもめ」だ。「ちょっと待って、あれはモノレールでは?」「電車じゃないの?」という声も聞こえてきそうだが、ゆりかめも運転手だけでなく、車掌も乗車していない自動運転されている公共交通機関だ。

新交通システム「ゆりかもめ」(C)farmer / PIXTA(ピクスタ)
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 一見、電車のようにも見えるが線路はなく、ガイドバーがついた専用道路をタイヤで走っている。もちろん、安全対策として車両や道路に工夫が施され、中央指令室で常時、運行は監視されている。

 また、日本ではないけれど、採掘場で使われる超大型ダンプにも無人での自動運転が実用化されている例もある。

コマツの超大型ダンプトラック(C) barman / PIXTA(ピクスタ)
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 一方で、公道での公共交通機関の自動運転は、実用化には至っていないのが現状だ。しかし公道での実証実験は始まっている。

 2016年8月にはDeNAの無人運転バス「Robot Shuttle」が千葉県美浜区の豊砂公園で日本初の実証実験を行い、11月には秋田県仙北市で日本初の公道を使用した実証実験を行った。いずれも限定的な環境下ではあるものの、公道での実験がスタートしたことには大きな意味がある。

DeNAの無人運転バス「Robot Shuttle」(写真:大音安弘)
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