ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングの経営統合から1年以上が経った。2017年8月にはドンキホーテホールディングスと資本業務提携を結ぶなど、改革を急ぐ。景気拡大が続いていると言われる中で、依然として消費者のデフレマインドは根強い。厳しさを増す総合スーパー(GMS)とコンビニエンスストアの経営環境をどう生き抜いていくか。2017年3月にユニー・ファミリーマートホールディングスの社長に就任した高柳浩二氏に今後の戦略を聞いた。

ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長。1951年静岡県生まれ。75年早稲田大学理工学部卒、伊藤忠商事に入社し、石油製品第一部に配属。シンガポール駐在や原重油部長などを経て、08年常務取締役に就任。15年代表取締役副社長、16年ユニー株式会社取締役、17年3月から現職(写真:的野弘路)

ユニーとファミリーマートが統合して1年以上が過ぎました。当初思い描いていたものと違っていた部分はありますか。

高柳浩二社長(以下、高柳):やはり環境が想像よりも厳しいというのはありましたね。業界全体として、商品を値下げする流れはいまだに止まっていません。インフレと言われているにも関わらず、消費マインドが変わっていないという現実も、想定より厳しいです。総合スーパー(GMS)事業でドンキホーテホールディングスとの資本業務提携の話が短期間でまとまったのは、想定よりも環境が悪かった事が背景にあります。

 環境が厳しいという意味では、ネット通販との競合もあります。それからリアル店舗同士の戦いというのも、今まで以上に過酷になっています。ドラッグストアも生鮮品や弁当を売りだしていますよね。そういうリアル店舗間の競争が激化していることなどは、当初想定したシナリオより厳しい部分です。

 やはり日本はオーバーストア状態だと思います。今、小売市場のうち数%をネット通販が占めていますが、その割合は今後もさらに大きくなっていきます。明らかにリアル店舗の需要が取られていることを意味するので、本来であればその分、リアル店舗が減ってもおかしくありません。ところが、まだまだ増え続けています。

こうした流れに備えて、早く体制を整えないと後手に回ってしまいませんか。

高柳:そうです。ドンキと一緒に改革を進めているのは、そのためです。GMS事業については、次の3つを変えて欲しいと言っています。それは店舗、業態、そして意識です。

 業態については今度、まさに変わります。2018年から、ユニーが運営している「アピタ」「ピアゴ」といったGMSの約200店舗のうち、6店について、屋号を残しながら売り場をドンキに転換する予定です。変革は途上ですが、うまくいくという手応えは感じています。

 提携当初は、特にユニーの人たちはある種のショック状態だったと思います。今は人の交流も始まって、店舗研修を実施したり、経営計画などを一緒に作ったりしています。その中でお互い気付く部分がすごくあります。ユニーにとって最初は抵抗感のようなものが強かったと思いますが、そこはだいぶ分かり合って、いい意味でお互い刺激しあっています。

今後はドンキの持つノウハウが、今回転換予定の6店舗以外に導入されていくということでしょうか。

高柳:そうですね。例えばユニーとドンキでは、本部と店舗の関係や商品の売り方が結構違うんですよ。今もそうですが、もともとユニーはチェーンストア理論に基づいて店舗を展開してきました。一方、ドンキは個店主義に近い。

 それから売り方の問題。これはどっちが良い、悪いという話ではないのですが、違いがあります。やはり、どちらも自分のやり方に慣れ親しみ過ぎているところがあって、そこから抜け出るのが難しいんですよ。ユニーの良いところは生鮮品が強いことですが、そのやり方をドンキの方に導入したり、逆にユニーにドンキ流を取り入れたり。そうした準備は思ったより進めることができています。