成長を続けてきたインターネット広告市場で、動画広告が大きな存在感を持ちつつある。スマートフォン(スマホ)を日常的に使い、フェイスブックやユーチューブなどを楽しむ人であれば、多くの人がその頻度の多さに気付くだろう。例えば、スマホ向けのゲームアプリや外国為替証拠金取引(FX)などの金融商品、大手自動車メーカーの最新モデルのPR動画が流れることもある。

 サイバーエージェントの調査によると、2017年の動画広告市場は前年比63%増の1374億円になる見通し。けん引役はまさにスマホ向け動画広告で、市場全体の実に8割を占めるとみられている。同社は23年に、市場全体が3485億円に拡大し、うち9割がスマホ向けになると予測。こうした状況の中、ネット大手による需要の取り込みが激しさを増している。

動画広告はスマートフォン向けを中心に順調に拡大する見通しだ

 「動画広告はネット広告における主流になる」。こう話すのが、ツイッタージャパンの笹本裕代表取締役だ。日本はツイッターの世界全体の売上高のうち、約1割を占める有力市場。月間アクティブユーザーが約4500万人という規模を生かし、今秋から動画広告のビジネスを本格化させている。

 10月に始めたツイッターの広告動画の新サービスは、「インストリーム動画広告」というものだ。これは、ニュースや料理などのコンテンツを提供する会社のアカウント上に、他の企業が広告を出稿できる仕組み。コンテンツの冒頭にクライアントの動画広告が流され、ユーザーは自分の気に入ったコンテンツをチェックする際にその広告を視聴することになる。

 こうしたインストリーム広告で有名なのがユーチューブだろう。若者を中心に人気を集めているユーチューバーが、自分の配信する動画に広告の枠を設定し、再生回数などに応じて広告収入の一部を受け取れるプログラムもある。数百万回の再生回数を誇るユーチューバーの中には、億単位の収入を得る人もいるようだ。

 情報の発信力やユーザーへの影響力という点では、ツイッターも同様だ。今回の新サービス開始時点では、ツイッターの「優良パートナー企業」としてコンテンツを提供するのは約20社。ウェザーニューズや吉本興業などが名を連ね。今後さらにパートナー企業を増やしていく計画という。

 笹本氏は動画広告について、「ソーシャルリスニング(編集部注:SNSなどから消費者の生の声を収集、分析してマーケティングに活用すること)としてのツイッターの役割は大きい。企業が自社の製品の販促やブランディングを進める上で、動画広告は非常に有効であり、我々にとってもビジネスチャンスになる」と話す。人員を増強するなどし、企業向けのマーケティング支援も積極的に手掛けていく。

ツイッタージャパンの笹本裕代表取締役は、日本で動画広告の本格展開を目指す