消費者の支出行動には「転換点」がある

 消費者の支出行動には、流れがはっきりと変わる節目というか、転換点のようなものが見出されることがある。

 2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた際には、人々が6月下旬になってから負担が重くなったことを実感するようになり、消費が落ち込んだ。それを敏感に察知したのが、北海道を地盤とするスーパーマーケットやファミリーレストラン全国チェーンの経営者だった(当コラム2014年11月5日配信「ファミレスは今やセレブ向けレストラン? 最新業績動向から読み解く『6月下旬消費変調説』」ご参照)。

 8%から10%への消費税率引き上げはその後、安倍晋三首相の政治判断により2回延期された。しかし、個人消費は今なお低迷を続けている。

消費者の支出行動には、「転換点」のようなものが見出されることがある。

株価大幅安でも「BMW」は堅調

 消費低迷の原因として、年明け以降の株価大幅安による「逆資産効果」が指摘されることがある。株価が大きく値下がりしたことをうけて自分が保有する株式などの資産価値が減少したと感じた富裕層が、消費額を抑えたという見方だ。

 だが、富裕層の消費動向を探るために筆者が以前から毎月継続的にウォッチしているインディケーターである輸入車新規登録台数「BMW」の年初以降の状況を見ると、しっかりした動きになっている<■図1>。

■図1:車名別輸入車新規登録台数「BMW」
(出所)日本自動車輸入組合

 1月と2月は前年同月比+18%台の高い伸び。3月は同▲1.0%になったが、これは逆資産効果というよりも、その前2か月に急増したことの反動とみなすべきだろう。4月は同+9.6%に回復し、5月~8月の前年同月比は順に、+10.3%、+9.2%、+14.1%、+15.6%。この指標を見る限り、年初からの株価下落による逆資産効果は大きなものではない。なお、輸入車新規登録台数全体は、日本自動車輸入組合が9月6日に発表した8月分で、外国メーカー車は前年同月比+0.5%。1~8月の累計は前年同期比+1.2%である。