先日、仕事帰りに立ち寄ったコンビニでがく然とした。精算の際、店員がレジで「50」と書かれたキーを押すのが目に入ったのだ。

 どんなお客がどんな商品を買っているのかを把握するために、コンビニ各社はお客の性別・年齢を見た目から推定し、記録している。ただし記者はまだ20代。取材先や友人からはよく「落ち着いてますね(=老け顔ですね)」と言われるが、まさか「50代以上」に分類されるとは……。

 と思っていたら、必ずしも悲嘆にくれなくても良いらしい。

 「お客をまじまじ観察している余裕なんて正直ありません。『50』は他のキーより押しやすい位置にある。店員にもよりますが、面倒なときはお客が誰であろうと『50』を押しているんです」(あるコンビニ加盟店オーナー)

 改めてお店に足を運ぶ。レジ装置をこっそり観察してみると、年齢キーは5段階に分かれており、「50」は最下段にある。それと比べると小学生以下を意味するのであろう「12」や、29歳以下が該当するとみられる「29」のキーは、値段を打ち込むテンキーから、わずかながら手を移動させなくてはならない位置にある。

 ということは「50」を押されたのは記者が50代以上と思われたからではなく、単に「29」まで手を動かすのが面倒だったからということになる(きっと)。安心した、よかった……。

ファミリーマートは来年2月までに、年齢キーを廃止する(東京都内のファミマ店舗)

 しかし、これではコンビニ各社はお客の属性情報を正しく取得できない。そこで「ポイントカードの提示をお願いしているんです」(あるコンビニの本部社員)。なるほど、言われてみれば当然のことである。が、であればなおさら、年齢キーの押下は無駄な作業ということになる。

新人でも初日から活躍できるように

 その年齢キーを、ファミリーマートが廃止するという。

 ファミマは今年夏から2018年2月にかけて、レジシステムの刷新を予定している。対象は国内1万8000を超える全店舗。投資は100億円規模にのぼる。

 どんな最先端の機能が盛り込まれるのかと思いきや、刷新にあたってのキーワードは「引き算」。本当に必要な機能が何なのかを改めて精査し、年齢キーも無用の長物として実装しないことにしたのだ。年齢キーの廃止は、セブン-イレブン・ジャパンやローソンに先駆けた動きとなる。

 ファミマ流の引き算は、レジシステムにとどまらない。ファミマはエーエムピーエムジャパンやココストアなどの買収により規模を広げてきた歴史があり、店頭業務の見直しは後回しになっていた。16年9月のサークルKサンクスとの統合により、M&A(合併・買収)による拡大戦略は一段落。ここで一息ついて、店舗業務をより筋肉質に磨きあげることにしたのだ。

 「新たに仲間に加わったスタッフが、勤務初日からすぐ活躍できる環境を整えたい」。ファミマの沢田貴司社長はそう語る。