10.25インチのディスプレイを2つ組み合わせた大型モニター。本国ではオプションで標準サイズは7インチ×2のサイズになるという

 オペレーティングシステムは「Linux」を採用するというが、タッチスクリーンの操作感は、さながらスマートフォンだ。従来の自動車のタッチスクリーンといえば、反応が鈍く操作にストレスを感じるものが大半だが、それがない(運転席に乗り込んでからの一連の操作や地図表示はこちらの動画を参照)。

 ナビの地図画像は、ダイムラー、BMW、アウディの3社が共同所有する企業、Hereによるもの。将来的な自動運転に向けてドイツプレミアム3社が開発に取り組んでいるだけあって、従来の地図を遥かに凌ぐ詳細な情報、そして高精細さだ。その情報を活かしてリアルタイム画像と地図データを組み合わせた映像がナビモニターに投影されるのだ。複雑に入り組んだ道で、どこを曲がればいいのかわからないといった状況がなくなる。また交差点で信号待ちをしていると広い画角で周囲の映像を映し出す。運転席からでは見にくい角度の信号なども一目瞭然だ。ただし、残念ながらこのHere社の地図データは日本にはまだ対応していないという。

窓の向こうに見えるのが実際の景色。ナビ画面は実際の映像に番地やストリート名を組合せて表示されるため、とても分かりやすい。右側には通常のナビ画面も表示可能

 そして最大の注目ポイントはいまどきのアップルのSiriや、アマゾンのAlexaよろしく、「ヘイ、メルセデス!」と声をかけると起動し、AI(人工知能)を活用して、音楽やエアコンの温度操作や、アンビエントライトのカラーの変更などもできるという音声入力システムだ。

「BMWってどう思う?」と聞いてみると

 すでに一般的な会話に近いレベルでの音声入力を実現しており、AIが学習を深めることでより乗員の好みに適応させていくという。デモでは「BMWってどう思う?」という質問に、「悪くないね」と答える洒落っ気もみせていた。

 最初は音声入力って気恥ずかしいし、エアコンの温度くらい自分で変えたほうが早くない? と思っていた。ところがしばらく使っていると、「I’m hot」とつぶやけば、エアコンの温度を1℃下げてくれたり、「twenty degree」と温度を指定すればそれに合わせてくれる。よくよく考えればクルマという密室空間は、音声入力にぴったりだ。

 願いがうまく通じたり、少し会話ができたりすると、やりとりが成立すること自体が楽しくなってくるから不思議なものだ。開発者は“自然言語”ということばを強調していたが、例えば「明日のパリではサングラスが必要?」と言えば、天気の話だと理解して、天気予報をスクリーンに表示するといったフレキシブルさも持ち合わせている。うまく使いこなせば、この映像のような掛け合いも可能なようだ。

 もう1つ、ナビゲーションにもユニークな機能をもっている。