中国は2018年3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で憲法改正を決定。近代国家の実現に向けいっそう加速すると予測される。中国版インダストリー4.0というべき「中国製造2025」を推進。裾野技術の向上を牽引する自動車産業では「25年に世界自動車強国入り」との目標を掲げる。

国を挙げて新市場に注力

 柱になるのが「自動車産業振興計略」。無謀ともいわれるが、そこには新エネルギー車(NEV)を世界の主流にすることで自動車産業構造を変える意図がある。政府主導による“EV革命”は着実に進行している。

新興メーカー蔚来汽車のEV「NioEP9」

 中国は9年連続で新車販売台数が世界首位。「自動車大国」の地位を着実に固めている。一方、部品技術が遅れ、民族系ブランドの育成が遅れていることなどから、製造面で日米欧に追い付くには依然として長い道のりがある。

 背景には中国政府が1980年代から外資系企業との完成車合弁事業を優先し、部品産業の育成に十分取り組まなかった事情がある。これが民族系メーカー成長の足かせとなり、「自動車強国」に転換するネックの一つにもなった。結果、民族系メーカーは長年、低価格車分野に集中。日米欧メーカーとすみ分けする戦略を取ってきた。

 既存のガソリン車でなく、新市場であるNEVにおける競争優位の確立が自動車強国への唯一の道である――。中国政府がこう判断したことを示すのが、17年4月に発表の「自動車産業中長期発展計画」だ。同計画は日米欧企業が寡占化している自動車及び部品メーカーの世界トップ10に、複数の民族系メーカーが割って入ることを目標に掲げる。

 注目すべきはNEVの育成の中身だ。日系企業が得意とするハイブリッド車(HEV)をNEVの対象から外した。