ニトリホールディングス(以下、ニトリ)は3月15日に東京都内の銀座、目黒、池袋の3カ所で百貨店や商業施設内に店舗を同時オープンした。

 そのうち、銀座の店舗は「プランタン銀座」の「マロニエゲート銀座」へのリニューアルに伴うもので、売り場面積の増床によるものだ。目黒の店舗は、JR目黒駅に直結する「アトレ目黒」への出店で、ニトリとしてはJR東日本が運営する商業施設、「アトレ」への初出店となる。

 そして、池袋の「ニトリ 東武池袋店」は東武百貨店への初出店で、店舗面積は約3800平米と1000坪を超える。新宿にある「ニトリ新宿タカシマヤタイムズスクエア店」の店舗面積約900坪を上回り、都心での新たな旗艦店としてオープンした。JR池袋駅直結の東武百貨店池袋本店6階にあり、国内店舗としては430店目に当たる。オープンからわずか6日間で10万人が来店するなどスタートから好調だ。

「ニトリ 東武池袋店」の店内。

進む中価格帯商品へのシフト

 同社の似鳥昭雄会長は、3月14日は東京・銀座の「ニトリ マロニエゲート銀座店」の内覧会で、3月15日は東京・池袋の「ニトリ 東武池袋店」のオープンイベントで、2日にわたってメディア向けに自ら出店の意義を説明した。ニトリは現在、百貨店を含めて都心への積極的な出店を進めている。似鳥会長が強調したのは、「マロニエゲート銀座」の前身に当たる「プランタン銀座」への出店を果たした2015年4月以降の「進化」だ。

 ニトリでは家具から生活雑貨まで1万点以上の商品を扱っているが、年間で5000点以上の新商品を開発しているという。もちろん定番品は残すだろうが、計算上は2年間で全商品が入れ替わってしまうことになる。

 「銀座への出店を機に、東京や大阪、名古屋といった大都市でも通用するおしゃれでセンスの良いモノを開発してきた。それが今のところ上手くいっている」と似鳥会長は話す。その開発力を支えるのが徹底した調査だ。毎年、約1000人の社員を米国と欧州に派遣し、寝具から生活雑貨までを含むホームファッションの最先端を学ばせている成果だ。

 その結果、ニトリの品揃えは「低価格帯が7割、中価格帯が3割だったものが、今は低価格帯と中価格帯がともに5割になった」(似鳥会長)。付加価値の高い商品へのシフトが順調に進んでいるという。

 ニトリは「ポピュラープライス」と呼ばれる一般的な消費者が気軽に買える価格帯の商品だけを取り扱う。その「ポピュラープライス」の中でボリュームゾーンを上回る商品を「中価格帯」。下回る商品を「低価格帯」と定義している。

 抽象的な概念だが、ごく一部の例外を除いて「中価格帯」で最も高価な商品でも値段は20万円以内に収まる。ちなみに、百貨店に出店した店舗では中価格帯の中でも値段が高めの商品がよく売れるという。