日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が、今月、出生時の体重が800グラム以下の乳幼児向けのおむつを発表した。産院や病院向けのみに販売される商品で、元々提供していた3000グラム以下、2200グラム以下、1500グラム以下、といった商品ラインアップに、新たにより小さいサイズを加える。既存の商品についても、さわり心地やサイズを改良して、4月末から順次発売をする。

P&Gが4月末から病産院向けに投入する800グラム以下の低出生体重児用のおむつ。うつぶせでもおむつ替えができるように、前後どちらでも使用可能にした

 おむつ大手のユニ・チャームも2014年から同様の低出生体重児用のおむつを産病院向けに発売しており、2015年からは一般発売もしている。ユニ・チャームの場合は、1000グラム以下、1000~1500グラム、1500~3000グラムと3種類だ。

「全体の数%」の市場

 厚生労働省によれば、国内で出生する乳児のうち10人に1人が2500g以下で生まれる低出生体重児。昨今の高齢出産の増加や、医療技術の発達によって低出生体重児は増加傾向にあるという。

 それでも、P&Gによれば、全体のおむつの製造量に比して、低出生体重児向けのおむつの売り上げは「数%程度」(P&Gジャパンの今瀬友佳・広報渉外本部カンパニーコミュニケーションズマネージャー)。スタニスラブ・ベセラP&Gジャパン社長も、「ビジネスシェアや売り上げを考える商品ではない。戦略の枠組みを超えたもので、純然なサービスとも言える」と話す。

 ではなぜ、この小さな市場に、各社が体重ごとに細かいカテゴリーを作ってまで、投資をしているのか。

 国内では少子高齢化が進むが、世界に目を向ければまだおむつ市場は大きくなる余力を残す市場だ。国内では頭打ちになることが予想される市場も、海外ではまだ「紙おむつ」さえ浸透していない国が多くある。中国ではおむつ全体の3割程度、インドでは1割に満たないといわれる。

 そうした国では、特に産院や病院から紙おむつを勧められることで、その後の紙おむつ使用率が上がるという傾向もある。そこでどこのメーカーのおむつを使ったかは、退院後のおむつ選びに大きく影響することは想像に難くない。実際「パンパースを提供している産病院では、退院後パンパースを使い続ける顧客が多い」(今瀬氏)。特に、グローバル企業にとって、今後新興国を攻める上で、産病院向けの商品を強化するのは効果的な手法ともいえる。