「50代女性」という話をするときに、最近筆者がよく例に挙げるのが女優の小泉今日子さんや山口智子さんだ。お二人ともすでに50歳を超えているのだという。一方、百貨店の取材をしていると「50代女性」はいわゆるミセスの括り。50代女性というと、どちらかというと「高齢」を想像してしまうが、キョンキョンを見れば火を見るより明らか。50代は、すでにまったく「高齢」ではない。

 この話をすると「いやいや、キョンキョンは芸能人だからさ」と言われることも多い。見栄えや美しさをいいたいのではない。50歳に突入した「バブル世代」は、周りを見渡しても、若く活動的な50代が確実に増えている実感がある。

 データからも明らかだ。50歳前後の女性の就職活動を支援するビースタイルによれば、現在65歳前後の団塊世代と、現在50歳前後のバブル世代を比べるた場合、データ上も違いが見えてくるという。このデータを見れば、現在65歳の女性が50歳のときと、現在の50歳の女性は、違って当然、と考えを改めさせられる。

 例えば、短大/大学進学率は団塊世代の場合14.4%なのに対し、バブル世代では32.2%。彼らが25~29歳のときの女性労働力率は、前者が46%と半分以下なのに対し、後者は64%。現在のスマートフォンの利用率に至っては、前者が18.3%に対し、後者が48.6%だという。これだけみても、育ってきた環境の違いや、それによって50代に突入したあとの生活が違うことは容易に想像できる。

イメージ上の「ミセス」を捨てる

 こうした世代の違いに気付かずに従来同様の売り場展開をした百貨店の衣料品売り場は、現在も苦戦を強いられている。百貨店の売上高は、減少傾向の一途。12月の百貨店全体の売上高は-1.7%となり、これで10カ月連続マイナスだ。衣料品の落ち込みが百貨店を苦しめている。

 そんな中、この3月にJ.フロントリテイリングがそうした変化を捉まえた新しい売り場を作るという。場所は大丸東京店。大丸東京店は、百貨店苦境においても、前年同期比2~3%で伸長している。同社の中でも他店舗が軒並みマイナスの中で、プラスを保っている優良店の一つだ。一方で「ミセス売り場だけを切り取ってみると、その勢いが感じられる売上になっていなかった」(大丸松坂屋百貨店)。

 その6階のミセス売り場の130坪で新たな編集売り場を展開するという。売り場には、ヤエカ、サニーアンドカンパニーなど、従来の「ミセス」とはイメージが異なるブランドを積極的に配置する。植物や書籍をふんだんに配置し、軽食を用意するカフェも併設。書棚から取り出した書籍を、カフェスペースで楽しむこともできる。

大丸東京店に3月3日にオープンする新しい売り場「LibTokyo(リブトーキョー)」。従来の物販中心とした売り場とは一線を画すミセス向けの売り場だ