トヨタ自動車とスズキは2月6日、業務提携に向けた覚書を締結した。昨年10月に交渉のテーブルに着いてから約4カ月。両社の提携がようやくスタートする。

昨年10月12日、提携交渉開始を発表したトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とスズキの鈴木修会長(写真:竹井 俊晴)

 協業に向けて検討する分野は「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」の4つ。スズキの原山保人副会長は同日開いた決算会見の席上で「フィージビリティースタディー(実現可能性調査)の段階で、今日から専門家が協議を始める」と話し、具体的な提携内容については発言を控えた。

 ただし原山副会長はこうも述べた。「(協議の交渉を開始した)10月12日に、(トヨタの)豊田章男社長は『オープン化』という言葉を何度も使った。その時点では意味を十分に理解できなかったが、協議の過程でスズキにとっても非常に重要だと理解できるようになった。オープンなスタンダードができることで、より具体的な協力関係を進めることが可能になる」 

 豊田社長は昨年10月の記者会見で、「仲間づくり」というキーワードを使った。資本提携ではなく、業務提携を軸にした「ゆるやかな連合」は、技術や規格の標準化で効果を発揮する。

 既にスズキは、トヨタと米フォード・モーターが主導するクルマとスマートフォンをつなぐ業界標準に向けたコンソーシアムに参加している。他に、トヨタが既に提携している富士重工業やマツダも顔を並べた。こうした標準化に向けた「仲間」にスズキが加わることは、トヨタにとってもメリットになる。

 資本提携については、両社ともに昨年10月時点で豊田社長とスズキの鈴木修会長が使った「ゆっくり考える」という言葉を踏襲。「今もその状況に変わりはない」(トヨタの早川茂取締役専務役員)と現時点においては白紙だ。

 資本関係はないにせよ、富士重工やマツダに加え、スズキとも「仲間」となったことで、世界販売1500万台の巨大連合が誕生することになる。

 目下の焦点は、両社が共同購買などの調達面まで踏み込むかどうか。スズキの原山副会長は「共同購買は今回の合意にはない。将来についても協議していない。競争法に触れるようなことはしない」としたうえで、「その範囲内で、部品やシステムの協力を進める上で必要ならあり得る」と話した。