仮想通貨取引所大手のコインチェック(東京・渋谷)は1月26日、利用者から預かっている約580億円相当の仮想通貨「NEM」を外部からの不正アクセスによって失ったと発表した。2014年に「マウントゴックス」が約470億円分を消失させてから、最大の仮想通貨の流出案件となった。

 コインチェックがNEMの入出金や売買を一時停止し始めたのは、同日昼ごろのこと。同時点で原因や事象についての会社からの説明はなかったが、インターネット上から確認できる履歴から同社が巨額のNEMを失った可能性が報道され始める。

 日本円を含むほかの通貨の出金も停止されたこともあり、コインチェックの本社前には利用者や報道陣など数十人が詰めかける騒ぎになった。ある男性は記者に1億5000万円と日本円換算の残高が表示されたコインチェックのアプリを見せながら、「本当にきつい」と声を震わせた。

コインチェック本社前に集まる利用者や報道陣

580億円の仮想通貨を「オンライン」で保管

 コインチェックは26日深夜から都内で記者会見を開催した。大塚雄介・最高執行責任者(COO)は「セキュリティーは最優先でやっていた」「出来る限りの十分な対応でやってきた」と繰り返し強調したが、同時に巨額の顧客資産をリスクのあるオンライン環境で保管していたことを認めるなど、説明にはちぐはぐさが目立った。

26日深夜から開催されたコインチェックの記者会見

 不正送金が発生したのは26日午前2時57分ごろとみられているが、コインチェックが異常に気がついたのは午前11時25分ごろと8時間以上経ったあとだった。システムには不正送金に対するアラート機能があったとしているが、ここまで時間がかかった経緯については「確認中」(大塚COO)と答えるにとどめた。