今回の年末年始も、インターネット通販(EC)にお世話になった。仕事納めの勢いで高額品を注文したり、正月に飲むワインを届けてもらったり。周知の通り、こうしたECに欠かせないのが、物流倉庫だ。その効率運営に目を付けたビジネスがやはり、盛り上がっている。

 「物流企業を中心に想定以上の引き合いをいただいている」。

 シャープの岩本隆司マニファクチャリングシステム事業部第四技術部部長は、2017年度中に発売する無人搬送車(AGV)とデジタルピッキングシステムの手ごたえをこう語る。シャープはアンテナを内蔵したAGVと太陽電池を搭載したRFIDタグ、無線の制御管理システムをセットにして売り出す計画だ。

目当てのものが入った棚にAGVが近づくと、タグが光って必要な数を表示する

 例えばあらかじめ「この棚のものを3個」とシステムに打ち込んでおくと、その棚にAGVが近づいたときにタグが光り、「3」と表示される。作業者はかごを乗せたAGVについて歩き、光ったらタグの棚から商品を取り出すだけ。自分で確認しながら棚を探す手間がなく、「熟練していない素人でも倉庫で戦力になる」(岩本氏)。

 タグの表示に要する電力は太陽電池から賄うことで、棚のレイアウト変更も簡単。岩本氏は「効率化のためにレイアウトをちょこちょこ変えたい顧客は多い」と指摘する。そのニーズに応える。

 シャープが販売するAGVは、もともと自社の複写機や家電などの組み立て工場で使うために開発したものだ。約3年前からAGV単体の外販を始めた。高さ約20センチメートルほどの板状の車体に車輪がついた形状で、倉庫内で使う場合は箱を乗せることを想定している。

「かご車」の下にも潜り込み

トラックから倉庫へ運ぶ「かご車」はグレーゾーン

 さらにこのAGVは「かご車」と呼ばれる大きな搬送かごの下に潜り込めるのが特徴だ。かご車は、トラックで運んできた荷物を運ぶために使われることが多く、AGVで引っ張れば、トラックから倉庫、倉庫からトラックへ人手をほとんど介さずに運ぶことができる。「トラックから降ろした後、倉庫まで運ぶのは自動化されていないグレーゾーン」(岩本氏)。かご車は一般的に年数十万台程度売れており、シャープは「大きな需要がある」(岩本氏)と期待をかける。

 かご車やボックスを乗せて運ぶAGVのシステムは18年度に50件程度の販売、AGV単体では同500台を見込む。