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“推し米”を教えてくれた五ツ星お米マイスターは「ふなくぼ商店」の舩久保正明氏

東京都江東区白河にある「ふなくぼ商店」の店主。五つ星お米マイスターのほか、ごはんソムリエや米・食味鑑定士など多くの資格を持つ。ふなくぼ商店は、第16回全国優良米穀小売店コンクールで農林水産大臣賞を受賞した名店として知られる。

信頼できる生産者から直接仕入れる

 今回“推し米”を教えてくれたのは「ふなくぼ商店」の舩久保正明氏。舩久保氏は農林水産大臣賞を受賞した米穀店を営むかたわら、おにぎり店「おむすび結庵」も展開。お米の産地や育成方法から、お米の炊き方、おにぎりの握り方にまで徹底的なこだわりを持つ。メディアにも多数出演。

ふなくぼ商店
【住所】東京都江東区白河3-8-12
【営業時間】月~金曜/10:00~20:00、土曜/10:00~19:00
【定休日】日曜、祝日
【TEL】03-3630-6608
【ホームページ】http://www.okomeno-funakubo.com/
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 ふなくぼ商店で取り扱う米は、コシヒカリやひとめぼれなどメインの約15品種に加え、テスト的に販売している数品種だけと意外にも少ない。しかし、同じ品種でも産地が違う米や、逆に同じ産地のほかの品種などを扱っており、それらを合わせると50種類近くのお米を販売しているという。これについて舩久保氏は、「米の味は品種だけの問題ではないんですよ。作り手の影響も多分にある」と話す。

 おいしいと言われている品種も、産地や生産者によって味が異なるそうだ。食感や粒の大きさなど品種由来の特性は根幹にあるが、それ以外の甘味や旨味の違いはすべて栽培方法に起因するという。

 「みなさんがよく知っているコシヒカリが全国の各産地で味が違うように、これはどんな品種でもありえること。地域が狭く天候が似ていれば味の差は小さいかもしれませんが、山ひとつで天候は変わるし、田んぼの土質や水質の違いでも味が変わってくるんです」(舩久保氏)

 そのため、ふなくぼ商店では、生産者から米を直接仕入れているという。生産者と土作りから取り組み、田んぼ単位で契約し、本当においしく安心して食べられる米のみを販売している。「いい米を手に入れようと思ったとき、栽培技術がものすごく大切」(舩久保氏)と、十数年前から舩久保氏は米の栽培について猛勉強。自ら産地へと赴き、当初は煙たがられながら田んぼに入れてもらい、何本も稲を抜かせてもらって根を見たり、田んぼの土を見たりして栽培に関する技術と経験を積み上げたそうだ。

 こうして信頼できる生産者とともに作り上げた米は高く評価され、ミシュラン三つ星店や半年予約がとれない寿司店など人気飲食店からのリクエストが絶えない。また、「米の味は炊飯器具や炊き方によっても変わってくる」(舩久保氏)ことから、各飲食店の理想のご飯をヒアリングし、品種だけでなく、店の炊飯設備に合わせた炊き方をレクチャーしているという。

 「飲食店は米を炊く量が多いから、水加減などちょっとしたことの積み重ねで仕上がりが大きく変わります。でも、いい米は炊飯の許容範囲が広いんですよ」(舩久保氏)

生産者の異なるコシヒカリやササニシキなど約50種類の米を販売。店頭では白米を1kgから購入できる。予約すれば玄米や好みの分つきでも購入可能。精米機は衛生環境に配慮して店舗の2・3階に設置され、玄米は低温倉庫で湿度・温度を管理しながら保管されている
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