審査委員たちが感覚を研ぎ澄ませて試食

 そして試食が始まった。皿の上にはノミネートされた3種類の品種と、審査基準として新潟県魚沼産のコシヒカリを基準米として盛り付けてある。基準米は審査の公平性を保つためのもので、食通の審査委員といえども複数の米を連続で食べると基準が分からなくなってくるため、3回の審査ごとに基準米を食べることで舌の味覚を一定に保つ役割がある。また、どの皿にどの品種が乗っているかは基準米以外は審査終了まで伏せられており、既存の知識や先入観で味が左右されないようにも配慮されている。

炊きあがった審査用のご飯が会場に運ばれてきた
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皿には審査用の3種類の品種と基準米として新潟県魚沼産のコシヒカリ(赤い印)が盛り付けてある
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 審査会といっても堅苦しい雰囲気ではなく、各審査員が試食しながらコメントを出しつつ、合間は和やかな雰囲気で行われた。とはいえ、米を口に入れる瞬間や米を鼻に近づけて風味を確認する一瞬は、各審査委員ともに鋭い表情を見せており厳格な評価を下そうとする姿勢がうかがえた。品種や特性は違うが日本の米という点では大きな違いはなく、各審査委員はその微妙な違いをやや苦労しつつもしっかり把握していたようだ。各ブランドに対するコメントは以下のとおり。

JA新砂川 特栽ゆめぴりか(北海道・空知産)
「噛めば噛むほど甘みが出てくる。上品な香りがある」(小谷氏)
「主役にも脇役にも。麻婆豆腐などパンチの効いたおかずでも存在感を発揮」(はっしー氏)
「子どもの頃に食べたおいしいごはんに似ている。上品」(山下氏)

青天の霹靂(青森県・田舎館産)
「バランスがよく、どんなおかずにも合う」(小谷氏)
「さっぱりした印象。お茶漬けなどで食べるとよさそう」(渡辺)

銀河のしずく(岩手県・北上産)
「余韻が長い」(里井氏)
「弾力があっておにぎりにも肉料理にも合う。子どもの頃に食べたおいしいごはんを思い出す」(山下氏)

金色の風(岩手県・一ノ関産)
「粒は小振りで、繊細な味。米の味を崩さぬよう、出汁や塩などを使ったおかずと一緒にさっぱり食べたい」(小崎氏)
「味がまろやか」(里井氏)

真室川特別栽培米 つや姫(山形県・真室川産)
「粒がくっきりして甘みがある。和食向き」(里井氏)
「あっさりしているので、少し味の強い具材をのせる丼に向きそう」(渡辺)

新之助(新潟県・上越産)
「粒が大きく、ほどほどの硬さがあり、今回の審査米中、最も洋食に向く米。リゾットやパエリアにしたい」(小崎氏)
「非常に存在感が強いのに、くどさがないことに驚く。唐揚げなど主張の強いおかずにも負けない」(はっしー氏)

銀の朏(みかづき)(岐阜県・飛騨産)
「チーズリゾットなど味わいの強い素材と組み合わせたい」(小崎氏)
「非常に軟らかく、かつもっちり。甘く、味が濃い。香ばしいような香りも」(川崎氏)

石見高原ハーブ米きぬむすめ(島根県・邑智産)
「米離れがよいので、丼ものや焼き肉向き。タレや肉汁を受け止める包容力があり、一体感が出ておいしい」(はっしー氏)
「もっちりかつクリーミーな甘みがあり、一粒一粒がなめらかなオーラをまとっている。毎日食べたくなる味」(川崎氏)

土佐天空の郷にこまる(高知県・本山産)
「粒が立派で、噛みしめるとお米らしさが出てくる。冷めてから食べてもおいしい」(小谷氏)
「炊きたてはやや軟らかいが、冷めてくると一粒ごとの存在感が際立ち、甘みが出てくる。おむすびに」(川崎氏)

審査会といっても堅苦しい雰囲気はなく試食の合間は和やかな進行
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試食の瞬間はどの審査委員も真剣そのもの
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風味を確認する山下氏
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審査は専用の用紙に記入。「硬さ」と「粘り」についての評価をグラフに書き込み、味などの評は自由記入となっている
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目をつぶって感覚を研ぎ澄ませるように風味を確認して試食するはっしー氏
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