象印マホービンが考えるおいしいお米の炊き方

後藤譲氏
象印マホービン 第一事業部 マネージャー

 今回の審査会でも感じたのだが、米は炊き方によって味覚がまったく違ってくる。家で食べるご飯を今よりおいしくしたいと思ったら、お米選びだけでなく、炊き方にもこだわりたい。昔ながらのかまどと羽釜で炊いたご飯のように、家庭でうまく炊きあげるにはどうしたらいいのか――。米のヒット甲子園の審査会で使用した象印マホービンの「南部鉄器 極め羽釜 NW-AS10」の商品企画担当である象印マホービン 第一事業部マネージャー・後藤譲氏に話を聞いた。

 うまく炊くポイントは「『圧力』『強火』『均一加熱』の3つです」と後藤氏。適度な圧力をかけながら強火で沸騰を維持し、釜を均一に加熱して炊きあげるのが理想だ。高価格帯の炊飯器はこの3つのポイントを押さえているものが多い。低価格帯の炊飯器の炊きあがりに満足している人でも、一度、高価格帯の炊飯器で炊いたご飯と食べ比べたら、その違いを感じることができるだろう。土鍋などでもおいしく炊けるが、「火加減や時間の調節が必要なので、毎回同じ炊きあがりにならないかもしれません」(後藤氏)とも。

 お米の保存方法や洗い方、計量の仕方も炊きあがりに大きく影響する。お米と炊飯器にこだわっても、これらの方法が間違っていたら台無しだ。

 白米は精米したてがベストの状態。買ってきたお米は酸化が進まないように密閉容器に入れ、高温多湿を避けて保存しよう。「冷蔵庫の野菜室なら安心です」(後藤氏)。

 精米後は日ごとに鮮度が落ちるので少量ずつ購入するのがお勧め。長くても1カ月で使い切れる分量にしたいですと後藤氏。「玄米で購入すれば長期間保存できるので、家庭用精米器やコイン精米所などを利用して、自分の手で精米するのもいいですね」と後藤氏。

お米の保存方法には特にこだわりたい。密封の容器に入れて冷蔵庫の野菜室に保存する。その際、購入した日付などを書いておくといい(写真提供/象印マホービン)

洗米方法は昔と違うので要注意

 洗米するときは、やさしく洗う。昔はぎゅっぎゅっと音がするほど米を強くこすり合わせて洗っていたが、今は精米技術が進化したため、力を入れて洗う必要はなく、逆に「米が割れてしまう」(後藤氏)という。

 正しい洗米方法は、すすぎを2セット、洗いを2セット(4カップ以上は3セット、8カップ以上は4セット)、仕上げにすすぎをもう2セット行うというものだ。

 すすぎは、たっぷり水を入れて2~3回大きくかき混ぜたら水を切る。最初の水はお米がたくさん吸水するので、「浄水やミネラルウォーターなど、なるべくいいお水を使うといいでしょう」と後藤氏は話す。ぬか臭さがお米に吸収されないように、素早く水を捨てることに注力したい。

最初の水は米にかなり吸水されるので、よい水にこだわりたい。象印マホービンでは、今回の審査会でも使用した、ご飯を炊くのに最適なアルカリ性の水が作れる「炊飯浄水ポット MQ-JA11」を販売している
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 洗いは水を切った状態で行う。力を入れる必要はないが、米同士をこすり合わせることでぬかを取っていく。手の指を立てて30回(約15秒)ほど鍋肌に沿ってかき混ぜてから、たっぷり水を注ぎ、大きく2、3回かき混ぜてから水を切る。

お米の軽量は正確に行う

 炊飯時の水の量は、炊飯器によっかなり差があるので、内釜の目盛りに合わせて水を入れること。話は前後してしまうが、炊きあがりのばらつきをなくすには水加減が重要なので、お米の計量にも注意を払いたい。簡単に正しく計量するには、カップにお米を山盛りすくい、あふれた部分をすりきり棒でそっとすりきる。手で押し込んだり、少なめにすくってつぎ足したりするとお米の量が正確ではなくなってしまう。

お米の計量にはすりきり棒があると重宝するので、用意しておくと安心

 今の炊飯器は、炊飯に浸水工程が含まれているので、「洗米が終わったらすぐに炊いて大丈夫です」(後藤氏)。時間を置いてから炊くと、炊飯器が考える最適な炊きあがりより、軟らかめに仕上がることが多いという。鍋で炊く場合は、夏場は30分、冬場は2時間くらい吸水させてから炊く。

 炊き上がったら、一度炊飯器のふたを開けて、ご飯を十字に4等分する。それぞれの部分をひっくり返すなどして、手早く余分な水分を飛ばしてから保温しておこう。

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炊き上がったら、余分な水分を飛ばす。ご飯をしゃもじで4等分してから(左)、ひっくり返すなどして全体に空気を通す(右)

 保存と洗米、水加減に気をつけて、いつものご飯の味と比べてみてはいかがだろうか。

(文/辛知恵、写真/シバタススム、衣装協力[細川茂樹氏]/ダーバン)