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 社会現象ともなった「ポケモンGO」の大ヒットで、世の中で一気に変えるスマホアプリの力が改めて明らかになった。

 だが、ポケモンGOだけでない。2016年のスマホアプリ市場では、LINEやフェイスブック、クックパッドの存在を脅かすアプリがヒットするなど、新しいトレンドが次々に生まれている。

 そこで、日経トレンディネットでは8月中旬、スマホアプリに詳しい専門家3人による座談会を実施。ポケモンGOをはじめとした今のトレンドを解説してもらうとともに、「2017年以降にヒットするアプリ」などの近未来予測についても熱く語ってもらった。

【「急成長スマホアプリ」座談会の内容】


(1)ポケモンGOのブームは長続きするのか? ←今回はココ!
(2)グーグル検索は「インスタ検索」に脅かされる?
(3)若者はフェイスブックよりも「消えるSNS」に夢中(8月31日公開)
(4)2017年にヒットするスマホアプリとは?(9月1日公開)



専門家が見た「本当のスゴさ」とは?

――今日はみなさんにお越しいただき、ありがとうございます。まずは簡単に、それぞれ自己紹介をお願いします。

滝澤琢人氏(以下、滝澤): 「App Annie(アップアニー)」でリージョナルディレクター 日本・韓国担当を務めている滝澤琢人です。App Annieは、日本のみならず、全世界のアプリストアを分析して企業向けに情報を提供しています。手前味噌かもしれませんが、アプリ業界では認知度が高く、データ分析を担うプラットフォームとして高い評価を頂いているかと思います。

App Annieリージョナルディレクター 日本・韓国担当の滝澤琢人氏。App Annieは、アプリ市場に特化した市場分析データやインサイト情報を提供する。近年では小売店や銀行、自動車メーカーなど、IT企業以外の分野にもスマホアプリの需要が高まっているという
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鶴谷智洋氏(以下、鶴谷): 「アプリマーケティング研究所」代表の鶴谷智洋です。アプリ開発者向けのマーケティング情報サイト「アプリマーケティング研究所」を運営しています。アプリ開発者やユーザーを取材して、実際のユーザーの使い方やヒットの理由などの深い情報を伝えるように心がけています。

アプリマーケティング研究所代表の鶴谷智洋氏。アプリマーケティング研究所では、ヒットしたアプリの開発者などへの取材や、ユーザーインタビューなどを中心に記事を発信。表にはなかなか出てこない、アプリに関する生の声や数字を伝えている
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竹林拓氏(以下、竹林): 竹林拓です。もともとはNTTドコモと電通の戦略子会社「D2C」に所属し、多くのスマホ向けゲームやアプリの立ち上げやマーケティングを担当した後、アプリ専門の広告代理店「D2CR」の立ち上げを役員として参画していました。現在はさまざまなスマホビジネスを展開する企業のビジネスアドバイザーを10社ほど務めています。さしずめ「スマホビジネスにおけるアドバイザー」といったところでしょうか。

アプリビジネス エヴァンジェリストの竹林拓氏。以前はNTTドコモと電通の戦略子会社「D2C」に所属し、多くのソーシャルゲームやアプリを立ち上げる。その後、アプリ専門の広告代理店「D2CR」の立ち上げにも参画。現在はフリーの立場で多くの企業を支援する
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――それではさっそく、2016年のトレンドを聞きたいと思うのですが……。

滝澤: やっぱり、まずは「ポケモンGO」でしょう。

竹林: ポケモンGOは外せないですよね。

滝澤: ご存じの通りポケモンGOは2016年7月22日に日本でもリリースされましたが、リリース前から話題になったこともあって、初日からものすごい勢いでダウンロードされました。

 正直、そのスピード感はもう他のヒットゲームの比ではありません。すでにLINEやツイッター、フェイスブックといった主要SNSと同等のユーザー数を獲得しているという点からも、まさに驚異的ですよね。

 また弊社では「ポケモンGOの1日あたりの収益が700万ドル(約7億円)を超えた」というニュースを発表しました。リリースしてたった3週間で、全世界のアプリ市場で収益ランキングの1位をかっさらったというのは、非常に大きなインパクトでした。

「ポケモンGO」は、現実の世界を舞台に、ポケモンを捕まえたりバトルしたりするゲーム。位置情報やAR(拡張現実)を活用することで、いまいる場所(=リアル)と連携するのが大きな特徴
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鶴谷: 確かに、ポケモンGOの収益はすごいですよね。ただ、僕が一番驚いたのは「他のゲームアプリに課金しない人が、ポケモンGOには課金している」という点です。

 というのも、海外のある調査会社のデータによると「ポケモンGOプレーヤーの約4割は他のゲームアプリに課金したことがなかった」そうです。これはつまり、スマホゲームへの課金にく興味がなかったユーザーに、課金のすそ野を広げたことを意味します。

 では、なぜそのような現象が起きたのか。僕は、その要因のひとつに「リアルな人間関係」があると考えています。