この記事は「日経PC21 1月号 特集 すごい商品&裏ワザベスト100」(2017年11月発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 スマホアプリの大型新人がここ1年で次々登場した。そんななか、特に存在感を示したのが、スマホのカメラ機能を使って紙の書類や写真をデータ化する“アナログ・デジタル”変換アプリだ。

 「アドビスキャン」(ランキング1位)は、書類をスマホで撮影すると、PDF化すると同時に、文字認識(OCR)機能によってテキスト情報が付加される。キーワード検索が可能なPDFファイルを手間なく自動作成できるわけだ。類似のアプリもあるが、PDF本家のアドビシステムズ製だけに、完成度は折り紙付きといえる。

 グーグルの「フォトスキャン」(同4位)も同じくアナデジ変換アプリ。その名の通り写真をスキャンしてデータ化できる。秀逸なのは、光の反射を軽減したり、ゆがみを補正したりが、すべて自動でできる点。同社のクラウドストレージ「グーグルフォト」と連携し、データ化した画像は容量無制限でアップロードできるのも魅力だ[注1]。
[注1]「グーグルフォト」アプリをインストールして、バックアップを有効にする必要がある

 グーグルは、2位にランクインしたキーボードアプリ「Gボード」でも話題を呼んだ。9月にiOS版が待望の日本語対応をしたのだ。流行語や固有名詞の予測変換に優れた日本語入力機能を備える。さらに動画や地図などを検索した結果を、そのまま画面を切り替えずにメールアプリなどの入力画面に貼り付けられる。

 2017年は、レシピサイトにも大きな動きがあった。レシピ検索アプリの代名詞といえば「クックパッド」だが、レシピ動画アプリが急伸している(同3位)。国内最大級のレシピ動画数を誇る「クラシル」は、専属の料理人が作るレシピを毎日追加。調理のポイントを約1分にまとめた動画をそろえて人気を博す。動画数は累計約1万本。2017年春以降、ライバルの「デリッシュキッチン」と並び、テレビCMも展開して急速に認知度を高めている。

 国内に7000万人を超えるユーザーを擁するスマホアプリの代表格「LINE」で話題になったのは「LINEクリエイターズスタジオ」(同5位)の登場だ。LINEの特徴の1つであるスタンプを、ユーザーが手軽に作れるようになった。審査の申請、販売まで1本のアプリで完結し、スタンプの自作がグンと身近になった。

 ITを利用した新たな金融サービス「フィンテック」での注目株は、「ペイモ」(同10位)。個人間のクレジット決済を代行するアプリで、ペイモのユーザー同士なら直接会わずに請求や支払いができる。7月には、ペイモを利用していない相手でもSMS(ショートメッセージ)を使って支払える機能が加わった[注2]。
[注2]支払いを受けた相手が代金を受け取るには、ペイモをインストールする必要がある

【1位】紙の書類をテキスト付きPDFに一発変換 “本家”アドビが満を持して無料で提供を開始

 スマホで撮影した書類をPDF化するアプリ「アドビスキャン」が2017年6月に公開された。書類の領域を自動認識し、きれいに補正してくれる。複数枚の書類を読み取れば、複数ページのPDFも作成可能。ページの入れ替えや回転もお手のものだ。PDFはアドビのクラウドストレージにアップロードされ、OCRによってテキスト情報が付加される。書類にもよるが、OCRは数十秒と時間もかからない。

●アドビシステムズ
Adobe Scan(アドビスキャン)
▶対応OS:アンドロイド/iOS
書類をアプリで撮影(左図)。取り込んだPDFをアップロード時に自動で文字認識して(中央図)、テキスト情報が付加される。完成したPDFはキーワード検索が可能だ(右図)
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