さまざまな角度からスポットを当てた「クラフトビールの今とこれから」を探る本企画。今回はキリンと提携して日本に本格進出したクラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」の日本戦略を探っていく。

(前回の記事はこちら)

 前回の記事で述べたように、ブルックリン・ブルワリーがブレークした要因はカリスマ的人気のブルーマスター(醸造責任者)、ギャレット・オリバーの存在に加え、ブランディングとファンづくりに力を注いできたことも大きい。

 BB社は自社バンにロゴのペインティングを施し、第1号ビール「ブルックリン・ラガー」の魅力を説明しながら売り歩いた。液体の色合いが濃く香り豊かなブルックリン・ラガーは創業当初から他社銘柄より価格が高く、現金払いのみで取り扱っていたという。最初の取引先は会社近くのレストランやバーなど数軒のみ。当初は広告・宣伝・マーケティング費などは捻出できなかったが、価格を下げて売ることはしなかった。

 その代わりに、BBのビール造りやブランドコンセプトに合った芸術や音楽イベント、チャリティーなどにビールをサンプルとして無償で提供、コミュニティーにも積極的に参加することでファンを増やしていった。会社が成長してもその姿勢は変わらず、協賛イベントを増やし続けている。

 BB社のロゴマークはロゴのデザイナーであるミルトン・グレーザー氏がデザイン。飲み終わったボトルを取っておきたいと思わせるほどのユニークかつセンスのいいラベルデザインも人気が高い。

BB社のロゴマークは「I ♥ NY」で世界的に有名なデザイナーのミルトン・グレーザー氏が手がけたもの
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