ネットを通じて不特定多数の個人(支援者)から資金を募るクラウドファンディング。ベンチャー企業の資金調達だけでなく、大手メーカーが新製品のマーケティングに活用する例も増えている。この連載では、「Makuake」を運営するサイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈さんが、クラウドファンディングの最前線を語る。今回は、同社が発表した3年間の経営数値や市場動向数値を使い、Makuake事業開始から3年間の経緯や、市場動向を解説する。

 2013年8月にスタートしたMakuakeは、今年で4年目に突入しました。そこでこのたび、サービス開始から3年間のさまざまな数字情報をまとめて、発表しました。今回はこのデータを参照しつつ、Makuakeの現状や将来、クラウドファンディング市場の変化などを解説しましょう。

Makuakeは、サービス開始から約3年間で、15億円を超える資金を調達(Makuakeの調査資料より)
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 発表したデータのなかで、Makuakeの成長を明確に示しているのは「資金調達金額」の推移です。最初の半年(2013年7月~2014年1月)と直近の半年(2016年2月~2016年7月)を比較すると、その金額は約10倍に成長しました。累計調達金額も、サービス開始3年以内で15億円を突破。また、2016年10月には20億円を突破。業界最速と言える成長を遂げました。

 実際、ここまで急成長した他のクラウドファンディングサービスは、当社が調べた限りでは、ほかにはありません。ではなぜ、Makuakeは急成長したのでしょう。その要因は、クラウドファンディングにおける「新しい領域」の開拓にあります。

 これまでクラウドファンディングには、「個人活動や社会貢献のための資金集め」というイメージがありました。しかし、Makuakeが新たな活用法として開拓したのは、企業や個人事業者による「ビジネス展開のためのマーケティングやプロモーション」。既存の領域で勝負するのではなく、いままでにない新しいニーズを開拓したからこそ、ここまで伸びることができたと分析しています。

 新市場の獲得と同時に、クラウドファンディングの機能を使いたいという企業が増え、結果としてクラウドファンディングの認知度が高まり、市場規模も成長しました。従来のような個人活動や社会貢献の資金集めのみで利用されていたなら、いまのような市場規模には成長しなかったでしょう。