ネットを通じて不特定多数の個人(支援者)から資金を募るクラウドファンディング。ベンチャー企業の資金調達だけでなく、大手メーカーが新製品のマーケティングに活用する例も増えている。この連載では、「Makuake」を運営するサイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈さんが、クラウドファンディングの最前線を語る。今回は、クラウドファンディング運営の仕組みを解説する。

 今回は、クラウドファンディングの運営側の仕組みやルールについて、少しひも解いてみましょう。企業や個人がクラウドファンディングのプロジェクトの実施希望を申し込むにあたって、サービスにたどり着く手段としては、大きく分けて3つのルートがあります。

 1つ目は、ある意味当たり前ですが「インターネット経由」です。クラウドファンディングがインターネットのサービスである以上、ネット検索などからMakuakeにたどり着いてくる人はかなり多いといえます。インターネット経由の問い合わせは月間500~600件あります。事業開始のための資金調達方法として、だいぶ認知されてきたという実感があります。

 2つ目は、友人や知人、さらには業界内でのつながりからくる「口コミ」です。これはクラウドファンディングだけに限らないことですが、何か新しいことを手掛けている人たちのつながりは、予想以上に強いようです。

 分かりやすいのはインターネット関連のスタートアップ業界です。例えば外食産業では、面白いことをやっている経営者たちが定期的に集って情報交換していることも多いとのこと。そういった場所で「クラウドファンディングをやってみたら資金調達だけでなく顧客獲得やプロモーションにもつながった」という話が徐々に広がります。クラウドファンディングに成功した人からの口コミは、強い影響力を持っています。

熊本市の崇城大学で講演(2015年6月)。崇城大学に通う大学生や、地元企業の経営者など、クラウドファンディングの可能性に興味を持つ聴講者が集まった
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 3つ目は、リアルな活動。草の根活動という感じですが、「運営側からの広報活動」になります。Makuakeでいえば、全国の自治体が主催するセミナーなどに私が講師として参加し、地方の中小企業や生産者、さらには銀行などの担当者に、クラウドファンディングを解説しています。

 私は2014年からの約2年間、毎月5~6本のセミナー講師を務めてきました。これにより、地方におけるクラウドファンディングの認知度や理解度はかなり高まってきたと自負しています。