事業性評価や地域創生にもクラウドファンディングを活用

━━クラウドファンディングを利用することに、不安の声はなかったのでしょうか。

越野: それはもちろんありましたし、今もまだ残っています。とくに金融に長く携わってきた職員にとって、クラウドファンディングは新しい仕組みなので抵抗感もあるようで、不安の声や慎重論が出るのは仕方がないことでしょう。

 そういった背景がありながら、Makuakeさんとの連携がスムーズにスタートできたのは、経営陣がこの取り組みを推進したからです。当金庫の経営戦略の中で「創業や商品開発を行うアーリーステージの企業に、金融機関として我々は十分な支援ができていない」という課題があったため、それが効果的な説得材料となりました。

 また、事業性評価や地域創生にクラウドファンディングが活用できるという点も、連携の追い風となりました。アーリーステージの企業だけでなく、その他の既存の企業に対しても効果を発揮しているので、活用の幅も広がっていると感じています。

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NACORDでクラウドファンディングに成功した製品。左は煙の出ない卓上かまど「版築竈(はんちくかまど)」(100万円以上調達)。右はスマートフォンの光がライトになる「イルミネーションインテリア」(60万円以上調達)

坊垣: Makuakeとしても、地域の優良な中小企業をご紹介いただけることは、非常にありがたく感じています。現実問題として、我々だけで全国各地をくまなく回ることはできません。その地域で日々、事業者と接点を持っている金融機関と連携できることは大きなメリットです。そういった意味では、城北信用金庫さんとMakuakeは補完関係にあるといえるでしょう。

越野: そう言っていただけると、我々も励みになります。メガバンクと違い、地方の金融機関は地域に密着しており、その土地の隅々にまで根を張っていることが強みです。また、失敗したからといって撤退するわけにもいきませんので、先を見据えた長期的な関係の構築が必須となります。

坊垣: その地域の課題や中小企業の動きなどは、その地域に根差した信用金庫の方が詳しいと私も実感しています。そこはメガバンクにない強みですね。

越野: 補完関係においては言えば、弱点を補うだけでなく得意分野を補強する側面もあるでしょう。例えば、信用金庫は全国各地に存在しており、信用金庫同士の連携が強いため、全国をつなぐリアルのネットワークは魅力的なインフラとなるはずです。一方で、Makuakeさんが持つインターネット上のネットワークも強力なツールとなるでしょう。お互いのネットワークを生かすような取り組みも、今後考えていきたいものです。