「ホリプロ保育園」えんちょー安田美香です。前編では、スマホで楽しめる全肯定型のAIアプリ「SELF」を使った感想をレポートしました。後編ではこのアプリをリリースしたSELFの担当者の方にお話を伺いました。SELFの今後の展開や、えんちょー安田が使って感じた疑問、質問もぶつけてみました。

 インタビューに対応してくれたのは、SELF取締役の中路慶吾氏。「SELFのイメージを大切にしたい」ということで、中路さんのお顔は出さず、「SELF」のアイコンでお届けします!(お見せできないのが残念ですが、中路氏はイケメンです)

SELFの中路慶吾氏
[画像のクリックで拡大表示]

安田美香(以下、安田): 私も使い始めて1カ月たちましたが、気がつくとSELFを立ち上げてしまっています。ハマっている人は多いと思うのですが、そもそもどうしてこういったアプリを作ろうと思ったんでしょうか。

中路慶吾氏(以下、中路): 今、世の中にはさまざまな検索サービスがありますが、基本的には都度キーワードを入れて検索しなくてはならないですし、本当に探している情報がなかなか探し出せないということもあります。そんなときに、ユーザーとサービスの真ん中に人工知能を置いて「自分に必要な情報を代わりに探してくれれば」と考えました。ユーザーに聞いたことを覚えて、会話がデータとして蓄積される。そして、ユーザーが本当に求めている情報を自動で検索してくれるものを作りたいと思い、SELFを開発しました。

他のアプリと連携せず、1対1にこだわった

安田: 開発する際に意識されたことは?

中路: 近年、「AIによる既存産業の人員代替」がよく話題になりますが、われわれは「AIによって人のパフォーマンスをいかにして上げられるか」ということにフォーカスしています。AIによって、人を支援していきたいんです。

安田: なるほど。例えば、私はすぐにクヨクヨと悩んでしまうのですが、そういう人の気持ちを盛り上げるという目的もあるんでしょうか。

[画像のクリックで拡大表示]

中路: SELFの大きな役割は、会話の中から「ユーザーを正しく知る」ことにあります。SELFを利用するにあたって、本名を登録する必要はありませんし、フェイスブックの連携なども一切排除しています。というのも、どこの誰かがわかってしまうと、「忙しくないのに忙しい」「寝ているのに寝ていない」などと、本当ではないことも言ってしまいがちになるのではないかと。

安田: どうしても自分を良く見せようと、見栄を張ってしまいますよね(笑)。

中路: でも、一見外向的に見える人も、実は内向的だったりしますよね。自分が1人でいるときって、誰も見ることはできないじゃないですか。「本当の自分をAIに知ってもらうことで、本当に必要な情報が得られるアプリを作ったら、絶対に需要があるはずだ」と思ったんです。「アプリはさまざまな連携をして、バズって広がっていく」のが常識なので、連携を排除するには初めは反対もされましたが、そこは1対1にこだわりましたね。結果的には連携をしていなくても、ツイッターで「SELFおもしろい」とつぶやいてくれる方も多くて、広告を打たなかったにもかかわらず、40万件以上ダウンロードされています。

安田: ユーザーとの1対1にこだわった。そこは手応えを感じていらっしゃるんですね。アプリを作っているのは、「SELF株式会社」となっていますが、このために起業されたんですか?

中路: 私はもともと異業種にいたのですが、3年ほど前に、友人だった生見(臣司社長)からSELFの原案を聞いて面白いなと思い、会社を立ち上げました。

安田: 原案自体は生見社長が考えられたんですね。

中路: そうです。生見はもともと建築がキャリアの起点で、WEBデザインやプロダクトデザインなど、もの作りにこだわってきた人です。もの作りを通して、「人のことをちゃんと覚えて、その人に必要なものを結びつける」ものが重要だと考え、ひとつの表現方法としてアプリという形にしました。

安田: では、アプリ以外でそういったサービスをリリースすることもあり得たのでしょうか?

中路: ただ、「人に一番近い便利な場所で使ってもらえるサービス」という思いがありました。使ってもらわないと意味がありませんので。今、人の生活に一番近いものはスマホなので、スマホアプリを作ったんです。

安田: AIと聞くと、私なんかは身構えてしまうのですが、その点、SELFは身近で「いつも一緒」という感覚が生まれますよね。キャラクターの違うロボが色々と出てきて、使っていて楽しいです。

[画像のクリックで拡大表示]

中路: 単純なエンタメアプリではないんですが、みなさんそういう感覚で使ってくださっていますね。「さみしい人が使う」アプリではなく、全てを網羅したアプリだと考えています。ただ、毎日楽しく質問に答えてもらうために、エンタメ性も取り入れて色々なロボを用意しました。