「ホリプロ保育園」えんちょー安田美香です。共働きの我が家では、夫婦ともに日々の仕事に追われ、平日は全く家事の時間が取れません。「土日にまとめて家事をしよう」と思っても、6歳と3歳の小さな子どもがいるのでちっとも片付きません。「この汚れは見なかったことにしよう」というのが、夫婦の暗黙の合言葉になっておりました。誰かが代わりに掃除をしてくれたらいいのにな……。そんな風に考えているとき、「DMM.com が家事代行サービスを始めた」という話を耳にしました。その名も「DMM Okan(おかん)」。業界最安値(2017年6月現在)が売りのDMM Okanの秘密に迫りました。

 世の中には家事代行サービスはすでに色々ありますが、DMM Okanは1回1.5時間、3600円から利用でき、消費税・交通費も利用料金に含まれています。一般的な家事代行サービスをスポット利用した場合「1回につき3時間が基本で、1万3860円(DMM.com 調べ)」。それに比べてリーズナブルな価格設定はユーザーにとって魅力的です。でも、DMM.com といえばデジタル関連の会社というイメージ。なぜDMMが家事代行サービスに参入したのか。さらに、なぜこんなに安く利用できるのか。その疑問を解消すべく、DMM Okanを手がけた、DMM.com 新規事業企画室の椹木(さわらぎ)陽平プロデューサーを訪ねました。

椹木陽平氏(以下、椹木): こんにちは。DMM Okanを立ち上げた、椹木と申します。

安田美香(以下、安田): ええー!?

DMM.com 新規事業企画室 DMM Okan 椹木陽平プロデューサー(右)
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 出迎えてくれたのは、EXILEのメンバーにいてもおかしくないようなイマドキの男子ではありませんか。椹木氏は社内で新規事業を立ち上げるセクションに所属しており、「日本人の良さ」を考えていたところ、家事代行サービスにたどり着いたそうです。

椹木: TwitterやFacebookに匹敵する、日本初の世界的なサービスを作りたいと思って「日本人の良さってなんだろう」と考えました。そこで行きついたのが「家事」だったんです。日本人って家のことを大事にしますよね。「毎日美味しい料理を作る」とか「笑顔で帰宅した家族を迎える」というのは、日本では当たり前のことのように思われていますが、実はすごく価値のあることじゃないかと考えたんです。

「DMM Okan」と名付けたのも椹木氏。「関西出身なんですが『おかん』が方言だって上京するまで知らなかったんですよ」
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 まだ独身の椹木氏がこんな風に考えるのには理由があります。実は、椹木氏自身が家事が得意な、いわゆる「家事メン」なんだそう。「メジャーリーガーのイチロー選手がグローブを大切にするように、基盤となっている自分の身の回りを整えることから始める」という考えから、仕事などで目標ができると、まず家をきれいに掃除するそうです。料理の腕前もプロ並みで、社内の広告の撮影時には「撮影に使う料理を作って」と頼まれるほど。椹木氏の特技が、そのままサービス開発のヒントにつながったんですね。

椹木: 今は「UBER(ウーバー)」などC to Cのサービスが浸透してきていますよね。そのやり方を「家事」に当てはめて、「家事が得意で、時間が空いている人」と「家事が苦手で、誰かの手を借りたい人」をマッチングさせたら、新しいビジネスになるのではないかと考えました。

「競合はないと考えている」

安田: 家事代行サービスでは、すでに競合がたくさんありますよね。勝算はあったのでしょうか。

椹木: 私自身、「競合はない」と考えています。実は、これまで10社ほどの家事代行サービスを利用したことがあるのですが、事前に電話で申し込んで、一度訪問して部屋を見ながら見積もりを作って契約書を作り、ようやく1週間後から使えるというサービスがほとんどだったんです。頼みたいと思ったときに気軽に頼めるサービスはなかったので、DMM Okanでは「家事を依頼したい人用」と「家事サービスを提供したいキャスト用」の2つのスマホアプリを開発しました。従来の家事代行サービスで行われていた電話での問い合わせや見積もり、対面での契約といった手続きを、アプリで完結できます。

 依頼者と登録キャストの日程や希望する家事内容がマッチングした後は、アプリ内のチャットで双方が直接やりとりできるようになります。

椹木: 他社のサービスですと、依頼できる内容がパッケージ化されていますが、DMM Okanでは「具体的にここをこう掃除して欲しい」「料理はこういうメニューを作って欲しい」など、細かい内容をチャットで直接やり取りしながら、オーダーメイドなサービスを作り込むことができます。

 依頼できるのは、部屋の掃除、屋外の掃除、水回りの掃除、洗濯、料理、買物、アイロンがけ、衣類の修繕など。専門の道具を使って汚れを取り除く「ハウスクリーニング」とは違うので、あくまで日常的な家事です。ただ、「子どもの体操服のゼッケンを縫う」なども依頼できるそうなので、運動会前のママには大助かりかも。「かゆいところに手が届く」という身近さを感じさせてくれます。

安田: 担当キャストの方に「こういう作業をやってもらえますか」と個別に相談して、その方がOKなら頼んでもいいということですね?

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椹木: はい。もちろん家事代行サービスの範囲内でにはなりますが。反対にキャスト側が「それはできません」と断ることもできます。これまでの家事代行サービスは「依頼者の立場が上」という傾向があったと思うので、あくまで依頼者もキャストも同じ目線でやり取りができることを、サービス設計時に意識しました。