「ホリプロ保育園」えんちょーの安田美香です。今回紹介するのは絵本です。絵本は子どもの感受性や学力アップに有効だといわれています。ただ、絵本は子どもだけのものではありません。「大人になってから改めて絵本の魅力に気づいた」という方も多いのではないでしょうか。「大人が楽しめる絵本」を3冊紹介します。

「あかちゃん もってる」

 わが家では毎晩、子どもたちとベッドで絵本を2冊読んでから眠るという習慣があります。土日はパパが読み聞かせをしていますが、上の子が生まれてからの7年間で、わが家のパパと子ども達が一緒に盛り上がった絵本を3冊選びました。最初に紹介するのは「あかちゃん もってる」です。漫画家・吉田戦車氏の初めての絵本で、「不条理ギャグが特徴の吉田さんが絵本を描くとこうなるのか!」という驚きと、画力の高さに感嘆する1冊です。

 吉田戦車氏といえば、「伝染るんです。」の国民的大ヒットでファンになったという方も多いでしょう。吉田氏は現在、小学生の娘を持つパパ。2011年から「まんが親」という子育てコミックを手がけています。この絵本は吉田氏の漫画はすべて読んできたというわが家のパパ自ら購入してきました。ページをめくると、これが圧巻! こんなことをプロに言うのは失礼かと思いますが、本当に絵がうまい方なんだなあと感動。独特のタッチや色づかいが、温かくほのぼのとした世界を作り上げています。

 この本は「生まれたばかりのわが子に読ませたい」というテーマのもと、描かれたそうです。絵を描き上げるたびに0歳児の娘さんに見せながら完成させたとのこと。わが家の子どもたちは特に最後のページが大好きで、「えー、すごい!」「ビックリした!」と大笑い。「〇〇 もってる」という言葉のリズムが心地よく、何度も読み返しています。「これぞ絵本」といったシンプルな内容なので、誰が読んでも楽しめます。

 吉田氏の漫画に影響を受けて大人になり、そして親になった今、新たに絵本というジャンルでまた吉田氏の作品に出合う。そんな喜びが感じられ、感慨深くなることでしょう。ちなみに、2017年に発売された2冊目の絵本「走れ! みかんのかわ」(河出書房新社)は従来の“戦車節”が満載で、より漫画的要素の強い作品になっています。

吉田戦車「あかちゃん もってる」(河出書房新社、税別1100円)
[画像のクリックで拡大表示]