この数年で、地方移住先として広島県の人気が高まっている。なぜ今、注目されているのか。今回は、広島県が持つ地理、産業構造などから、広島県の魅力を分析。また、広島県への移住や転職、起業などの相談や先輩移住者の紹介などを行っている「ひろしま暮らしサポートセンター」で、移住先として広島県の魅力や広島県独自の取り組みなどを伺った。

都市の利便性と豊かな自然を併せ持つ広島県

 UIJターンといった、地方での暮らしを支援する相談窓口“認定NPO法人ふるさと回帰支援センター”が、2016年に移住希望者を対象として行った調査に、興味深い回答があった。ひとつは、希望する地域類型として、「地方都市」が5割を占めること。そして、移住先の条件は「就労の場がある」が最も多く、次いで「自然環境が良い」だったことだ。これは、地方移住の在り方が、「リタイア世代が中山間地でのんびりと暮らす」から「現役世代が自然豊かな地方都市で仕事をしながら生活する」スタイルに変わりつつあるということだろう。

 とはいえ、大都市圏で培ったスキルを生かせる仕事がある、利便性が高い都市でありながら、自然も多いといった条件を満たす地方都市は多くない。そんななか、移住先として熱い視線が注がれているのが「広島県」だ。

 広島県が移住先として人気を集めている裏付けは、データにも表れている。“移住希望地域ランキング2016”によると、2013年までは全国移住希望地域で20位以下だった広島県は、2014年には18位、2015年は6位となり、そして2016年は4位にまで順位を上げた。

“移住希望地域ランキング2016”で4位となった広島県。2014年以降、右肩上がりで順位を伸ばしている
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 なぜ、広島県は移住希望地として人気が高いのか。その一番の理由は、都市機能と豊かな自然が共存している環境にある。広島市は、約120万人の人口を有する中国・四国地方最大の都市だ。当然、首都圏をはじめとした大都市圏並みの利便性を誇り、仕事も多い。一方で、車で1時間も走れば、美しい瀬戸内海にも到達。また、登山や清流を楽しめる山や川へのアクセスも良い。これは、今の若い層が求める移住条件である「自然豊かな地方都市で仕事をしながら生活する」にピッタリと当てはまる。